ドル円 ドル下げ止まらず、152円割れも現実味(24/7/25)

東京市場はドルが大幅安。5月3日以来となる安値152円前半を一時示現している。

ドル円 ドル下げ止まらず、152円割れも現実味(24/7/25)

ドル下げ止まらず、152円割れも現実味

〇本日のドル円、153円台前半でしばらくは揉み合った後下落に転じ、そのまま一気に152円台へ
〇目先のターゲットである153.60を下回り、今週だけで5円を超える下落幅に
〇151円半ばを目指したさらなるドルの続落に一応要注意
〇本日は米1QGDP速報、新規失業保険申請件数などの発表予定
〇米大統領選に絡むニュース、G20財務相会議、来週の日米政策会合に要注目
〇ドル高・円安方向、短期的には上値が重くなってきた153円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値の152.25レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:151.50-153.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが大幅安。5月3日以来となる安値152円前半を一時示現している。

ドル/円は153.90円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。153円半ばで底堅さを醸したが、割り込むとそのまま一気に152円台へ。日中安値である152.25円レベルまで、1円を大きく超える下落をたどっていた。ドルは今週だけで5円を超える下落で、安値示現後は小反発に転じるも上値はすでに重い。16時現在152.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、日経平均株価も大幅安。7営業日続落で、終値ベースで1285円安となっていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「為替政策」について。
前者は、ここ数日レポートしているが、今月末の日銀会合をめぐり市場の見方が交錯している。意見の集約化はいまだ出来ていないようだ。実際、ブルームバーグでは世界最大の資産運用会社であるブラックロックが「日銀は現在の政策金利を当面据え置くと予想」と報じる反面、ロイターは「日銀は利上げを来週検討へ」と、非常に対照的な内容をレポートしていた。結局のところ、実際にフタを開けてみるまで実際のところはわからないが、前述したように日経平均株価は連日の大幅安で、為替市場で急激な円高が進んでいることは間違いない。「この状況下、本当に利上げに踏み切れるのだろうか」−−といった疑問の声も一部市場参加者のあいだでは取り沙汰されていた。

後者は、本日東京時間早朝に、神田財務官から「G7では為替について特段の議論は行われなかった」との発言が聞かれ、一時市場で話題となっていた。と言うのは、確かにドル/円が一時162円直前まで値を上げたことからすれば、現状かなり円が巻き戻しているものの、それでもいまだ150円以上のレベル。また、出席する鈴木財務相がG20財務相・中銀総裁会合で、「為替を含む論点について日本の立場をしっかり伝える」と、以前に述べていたにもかかわらず、G7で為替は不問だったからだ。つまり、日本の当局は153-155円程度のドル高・円安を容認する姿勢なのではないか、などといった見方が広がっていたことによる。今後思惑を呼ぶことになるかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円相場は、前述したとおり本日東京時間に一時152円台前半を示現。目先のターゲットだった5月16日安値153.60円を下回っただけでなく、今週だけでドルの下落は5円を超えてきた。円安方向への動きではないものの、神田財務官らの指摘する「過度の変動」にあたるのではないか。いずれにしても、テクニカルには遥か下方に位置すると見られた移動平均の200日線だが、気が付くとさほど遠くない位置に。151円半ばを目指したさらなるドルの続落に一応要注意だ。
来週予定されている日米両中銀による金融政策の発表を市場は注視。当初は米国のみがフィーチャーされたが、ここ数日はむしろ日銀の動きに関心が集まっている感がある。ただ、意見の一本化には至っていないと思われるだけに、このあとも引き続き発表される指標や要人発言、あるいはメディアによる観測記事などに一喜一憂する展開は続くだろう。また、それとは別に米大統領選に絡むニュースや、G20財務相会議など政治ファクターも、場合によっては波乱要因となりかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジを完全に下放れると、本日東京時間には一時152円台。先日下回ったばかりだった移動平均の90日線や、一目均衡表の先行帯の雲は現在156円前後に位置しており、かなり遠くなった。今後、それらはドルの戻りを抑制する抵抗として意識されそうだ。
それに対するドルのサポートは5月安値の151.86円や、200日線が位置する151円半ばなど。下回ると、多少時間は必要だろうが3月19日以来の150円割れも否定できなくなる。

本日は米経済指標として、4-6月期のGDP統計速報や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また、先でも指摘したG20財務相・中銀総裁会議が26日までの予定で実施される見込みだ。議論の行方を一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.50-153.00円。ドル高・円安方向は、短期的には上値が重くなってきた153円レベルが最初の抵抗。しっかり超えれば153円半ばを目指すが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の152.25円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込むと先で指摘した151.86円などがターゲットに。

ドル下げ止まらず、152円割れも現実味

ドル円日足



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