ドル円 介入警戒強いがドル高基調は継続か(6/24夕)

週明けの東京市場はドルが強保ち合い。口先介入も聞かれるなか、159円後半における一進一退に終始している。

ドル円 介入警戒強いがドル高基調は継続か(6/24夕)

介入警戒強いがドル高基調は継続か

〇東京市場のドル円、レンジ取引をたどり160円を前に強保ち合い
〇神田財務官、鈴木財務相らが強く円安けん制するも、ドルの下値堅く16時現在159.70前後で推移
〇今朝発表された日銀6月会合「主な意見」に「金融政策は為替の短期的な変動には左右されない」との声
〇月末、四半期末のため週末にかけ需給要因に要注意、駆け込み的為替手当てが波乱要因となる可能性も
〇ドル高円安方向、160円が最初の抵抗。上抜けると年初来高値160.22がターゲット
〇ドル安円高方向、159.40-50が短期的なサポートになりつつあり下回っても基本的には底堅いか
〇欧米時間のドル円予想レンジ:159.10-156.00

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はドルが強保ち合い。口先介入も聞かれるなか、159円後半における一進一退に終始している。

先週末は、菅前首相から岸田首相に事実上の退陣要求が突き付けられるなど、いわゆる日本の「政局」が活発化。また南シナ海などで傍若無人に振る舞う中国の動きも、そこここで話題となっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は159.80円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。160円を前にドルは強保ち合いをたどっている。早々に神田財務官、そして鈴木財務相らがかなり強い口調で円安けん制発言を行ったものの、効果は限定的でドルの下値は堅かった。16時段階では159.70円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言」と「中国情勢」について。
前者は、米財務省が先週為替報告書を発表し、日本を再び「監視対象」に指定するなか、ドル/円の実勢レートは先週末そして本日東京で160円をうかがう様相。そうしたなか、神田財務官から「米為替報告書、懸念はないと断言」、「為替介入は24時間いつでも準備」−−などとかなり勇ましい発言が相次いでいた。また、そののち鈴木財務相も「為替の過度な変動は望ましくない、適切に対応」とコメントしていたようだ。なお、日銀が本日早朝に発表した6月金融会合での「主な意見」において、「金融政策は為替の短期的な変動には左右されない」との声があったことが明らかに。

対して後者は、台湾当局が「中国軍41機、軍艦延べ7隻などが台湾周辺で活動を行い、一部が中間線を超えた」と発表。また、「日本の尖閣諸島周辺でも中国船が一時領海侵入、それも4日連続観測」したことが海保の発表で明らかとなった。さらに、中国とフィリピンの小競り合いも続いており、こちらについてはクリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)から「無責任かつ攻撃的、危険であり、深刻な不安定化をもたらしている」との懸念コメントが聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、14日高値158.25円を上抜けるのに少し時間を要したが、突破後はそのまま159円台後半まで一気に値を上げている。さすがにポジションの偏りなども散見されるものの、流れそのものは引き続きドル高・円安方向にバイアスか。160円、そして年初来高値160.22円をめぐる攻防が注視されている。また、それとともに日本当局の円買い介入の動きも注視されている。レベルやタイミングはもちろんだが、そもそも論として先の米為替報告などもあり、実弾介入に踏み切れるのかを懐疑的に見ている向きも少なくない。
6月の日米それぞれの金融政策決定会合は終了するも、市場の関心はすでに次へと移行している。日本は7月、米国は9月会合に「変化」がありそうといった見方が有力ながら、ともにいま少し時間的猶予があることで、まだまだ予断を許さない。引き続き発表される指標や要人発言に一喜一憂する展開をたどりそうだ。また、それとともに今週は名実ともに月末、四半期末にあたることで、とくに週末に掛けては需給要因に要注意といった声も聞かれていた。駆け込み的な為替手当てなどが波乱要因となる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は160円が現実的な上値メドとして意識されているが、果たして到達できるか。円買い介入警戒もあり、ドルは上げ渋る展開を予想するが何かの拍子であっさりと上抜ける可能性もある。
一方、先週末にも報じたように、今年5月以降のパターンをみると、直近安値から4-5円の上昇で一旦上げ止まるという展開が続いてきた。今回の一連の上昇の起点が4日安値154.55円とすれば、ドルの上昇はすでに5円を超える。たとえ一時的にせよ、値を崩すことも一応頭の片隅にとどめておきたい。

本日は米経済指標として、6月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。正直、注目度が極端に高い指標ではないが、先週末の米製造業PMIのように、発表される米指標が市場の波乱要因となるケースが最近は少なくない。本日も一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは159.10-156.00円。ドル高・円安方向は、本日東京でつけられなかった160円が最初の抵抗。上抜けると年初来高値160.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、159.40-50円が短期的なサポートになりつつあるようだ。ただ、仮に下回っても基本的には底堅そう。先週末安値158.67円でさえ少し遠いイメージ。

介入警戒強いがドル高基調は継続か

ドル円日足



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