東京市場のドルは160円台の攻防、政府・日銀による円買い介入実施を警戒
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、朝方にドル買いが強まったことから、一時159円93銭と先週末の海外時間の高値159円85銭を上回る場面も見られた。
先週末の海外時間では、米国の6月PMI速報値が低下予想に反して上昇(改善)したことから、金利がやや上昇し、ドル買いが強まった。一方、5月の景気先行指数は予想以上に下げ、中古住宅販売件数もさらに鈍化したが、ドル買いの流れは変わらなかった。欧州通貨での円売りも目立ったことから、159円85銭までドルは上昇した。
東京時間では、朝方、ドル買い継続で一気に160円台乗せを試す状況となったが、神田財務官が、「為替介入、24時間いつでも準備」「過度な変動があれば適切に行動する」「米為替報告書の影響はまったくない」「日本の為替監視リスト入り、問題はない」と円安けん制発言を行ったことから、ドル買いは一服。
159円台7−80銭台でのもみ合いが続いた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:159円71銭
高値:159円93銭
安値:159円62銭
終値:159円71銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:170円80銭
高値:170円97銭
安値:170円60銭
終値:170円88銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:106円08銭
高値:106円17銭
安値:105円81銭
終値:106円06銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:201円95銭
高値:202円17銭
安値:201円73銭
終値:202円01銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38497円42銭
高値:38905円47銭
安値:38416円07銭
終値:38804円65銭(前日比+208円18銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時10分、欧、ナーゲル独連銀総裁がデジタルユーロについて講演
21時30分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁がイベント出席
21時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がインタビューに応じる
24時30分、欧、シュナーベルECB理事が討論会に出席
27時00分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、連銀総裁の要人発言以外、目立った売買材料は予定されていないが、政府・日銀による円買い介入実施を警戒する展開を迎えそうだ。
今晩予定されているグールズビー・シカゴ連銀総裁はハト派だが、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有していない。一方、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁は中道派で今年の投票権を有していることから、デイリー総裁の発言の方が為替への影響力はありそうだ。
ドル・円は、政府・日銀による円買い介入とのせめぎあいを迎えていることから、神経質な地合いとなろう。日足チャートでは、4月29日の長い上影(上ヒゲ)を徐々に吸収しており、4月高値160円04銭までわずか11銭に迫っている。神田財務官は、今朝、「為替介入、24時間いつでも準備」と発言していることから、ほぼ口先介入の最終状態と言えよう。4月及び5月の円買い介入は、単独(各国の協調介入ではない)でレートチェックをせずに実施したと見られることから、神田財務官のコメントを見る限り、いつ円買い介入が行われてもおかしくはない。
米財務省から「為替操作国」の監視リスト入りが発表されたが、今時点では介入による言及はない。介入資金としてGDPの2%を使用していないから言及はなかったと考えるが、イエレン米財務長官が、複数回釘を刺している状況下、円買い介入実施のハードルは4−5月より高いだろう。
為替の急変動がいつ起こってもおかしくないことから、今晩の海外時間は下への動きを警戒したい。160円台に乗せたら注意が必要と考える。上値メドは160円50銭、下値メドは50日移動平均線が位置する156円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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