ドルは一時159円台、当局対応への関心高い
〇本日のドル円、158.90レベルで寄り付き、上値は重かったものの159.10-15まで値を上げる
〇日本当局の円買い介入警戒は強いが、159円台に目立った抵抗なく160円が名実ともに視界内に
〇当局による実弾介入の有無が注目されるが、それほど簡単に介入できないといった声も
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは158.20-159.30、ドル高・円安方向は159.10-15が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、158円半ばや158.25レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルがわずかに続伸。前日超えられなかった159円台を一時示現する局面も観測されていた。
ドル/円は158.90円レベルで寄り付いたのち、ドルが強保ち合い。前日の158円台ではほぼ聞かれなかった日本の要人からの口先介入が本日相次いだこともあり、上値は重かったがそれでも一時は159円台。159.10-15円まで値を上げている。当局の動きを警戒しつつ、16時段階では158.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言」と「欧州金融政策」について。
前者は、米財務省が半期に一度の為替報告書を発表し、日本を再び「監視対象」に指定。これが物議を醸したものの、為替介入については、「毎月実績を公表しており透明性がある」とも指摘していた。そうしたなか、前述したように本日東京時間にドル/円は158円後半から159円台前半では推移。日本当局の対応が注視されるなか、神田財務官は「過度な変動あれば適切な対応を取ることに変わらない」と発言。また鈴木財務相は「過度の為替変動は経済に悪影響」、林官房長官「米国が日本の為替政策を問題視しているといった意味ではないと理解している」−−といったコメントが別途聞かれていた。
対して後者は、昨20日、スイスや英国など複数の欧州中銀が政策金利についての発表を行った。スイスは2会合連続となる「0.25%の利下げ」を行い、スイスフランが売られるなか、続くノルウェーや英国の中銀は「金利据え置き」を発表している。ただ後者である英国は7対2、つまり2人の委員が利下げを主張したとされており、意見が分かれていたようだ。したがって、次回以降の会合で利下げが実行される可能性も取り沙汰されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、目先の抵抗だった先週高値158.25円を抜けてからが早い。昨日欧米時間に上抜けると、そのまま本日東京時間には前述したように一時159円台も示現している。もちろん、日本当局の円買い介入警戒が強いことは確かながら、159円台に目立った抵抗もなく160円が名実ともに視界内に捉えられてきた。4月末のように、なにがしかの間隙を突く格好で再び160円台をつける展開があっても不思議はないだろう。
6月に予定されていた日米の金融政策決定会合が終了するなか、市場の関心はすでに次へと移行している。7月以降に向け、発表される指標や要人発言に一喜一憂する展開が当面のあいだ続く見込みだ。そうしたなか、注目されているもののひとつが当局による実弾介入の有無など。改めて指摘するまでもなく、レベル的なものからするとすでに危険水域だが、先度も取り上げた米為替報告書などを勘案すると、それほど簡単に介入できるとは思えないといった声もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京時間ついに159円台へ。158.25円を超えて以降、目立ったテクニカルポイントもなく160円台もすでに現実的なメドとして意識されている。
しかし、今年5月以降のパターンをみると、直近安値から4-5円の上昇で一旦上げ止まるという展開が続いてきた。今回の一連の上昇の起点が4日安値154.55円とすれば、すでになかなか良いレベルへと到達している。目先のドル買いにも慎重さを求めたい。
本日は米経済指標として、6月の製造業PMI速報や5月の景気先行指数などが発表される予定となっている。なお、前者の「PMI」という指標は米国だけでなくドイツや英国、ユーロ圏など欧州圏でも発表される見込みだ。すべて合わせて、注意するべきだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは158.20-159.30円。ドル高・円安方向は、本日東京時間につけた159.10-15円が最初の抵抗。上抜けると160円が名実ともに意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、短期的なサポートになりつつある158円半ばや158.25円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ下回っても基本的には底堅く、目先は158円割れが精々というイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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