東京市場のドルは159円台乗せ、4月29日の160円台を意識した地合いに
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、10時の値決めのタイミングでドル買い需要が強まったことから159円台まで上昇したが、買い一巡後は158円台後編でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米国の5月住宅着工件数や6月フィラデルフィア連銀業況指数が予想を大きく下振れ低下し、ドル売りが一時強まった。一方、週次の新規失業保険申請件数が前回から減少したことや、ミネアポリス連銀総裁のインフレ目標達成には時間を要するとの発言が金利上昇につながったとみられ、ドルは値を戻す展開となった。
東京時間では、10時の値決めのタイミングで実需筋のドル買いが入ったとの観測から159円13銭までドルは上昇。買い一巡後は158円台後半でのもみ合いとなったが、しっかりとした推移となった。
なお、総務省が公表した消費者物価指数は、生鮮食品を除くコアCPIが前年比2.5%と4月の同2.2%より伸びたが、市場予想同2.6%は下回った。食料(生鮮食品を除く)、教養娯楽の伸びは鈍化したが、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価の引き上げに伴い電気代が4月の前年比−1.1%から同14.7%に急上昇したことがコアCPIの伸びに影響した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:158円90銭
高値:159円13銭
安値:158円81銭
終値:158円95銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:170円05銭
高値:170円38銭
安値:170円04銭
終値:170円36銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:105円77銭
高値:105円96銭
安値:105円75銭
終値:105円92銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:201円14銭
高値:201円39銭
安値:201円09銭
終値:201円30銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38608円66銭
高値:38795円68銭
安値:38532円13銭
終値:38596円47銭(前日比−36円55銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、6月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、前回:47.3、市場予想:47.9
17時00分、欧、6月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)、前回:53.2、市場予想:53.6
17時00分、欧、シムカス・リトアニア中銀総裁がイベント出席
21時30分、カ、4月小売売上高(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:1.0%
21時30分、カ、4月小売売上高(コア・前月比)、前回:−0.6%、市場予想:0.5%
22時45分、米、6月製造業PMI(速報値)、前回:51.3、市場予想:51.0
22時45分、米、6月サービス業PMI(速報値)、前回:54.8、市場予想:53.4
22時45分、米、6月コンポジットPMI(速報値)、前回:54.5
23時00分、米、5月中古住宅販売件数、前回:414万件、市場予想:408万件
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、じりじりとした円安ドル高の流れが進みそうな状況か。ドル・インデックスは105.2水準と前日比ではやや上昇したが、強いドル買いが入っているムードは感じられない。
日足チャートでは、4月29日の上影(上ヒゲ)160円04銭が見えてきた。政府・日銀による円買い観測が強まる価格帯ではあるが、米財務省は20日、半期ごとの外国為替政策報告書を公表し、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。監視リスト入りは1年ぶりとなる。
足元の原油価格の下落により、今回の対象期間だった2023年に経常黒字の総額が形式的な基準を上回ったためで、24年4−5月の為替介入実施が影響したわけではない。円買い介入を非難する文言などもなかったが、監視リスト入りを受けて、政府・日銀による為替介入はやや実施しにくくなったとの見方もできよう。
神田財務官は「過度の為替変動は経済に悪影響を与える」「為替に過度な変動があれば適切な対応を取ることに変わりない」とけん制発言を行った。同時に「米の外国為替報告書は日本のアプローチを問題視していない」とも発言。その通りではあるが、イエレン米財務官がたびたびくぎを刺していたことを考慮すると政府・日銀による円買い介入への警戒感は和らいだと考える。投機筋は円売りポジションをじりじりと積み上げると推測する。
チャート形状は、引き続き上に行きたそうな状況であるため、今晩の海外時間もドル上昇を想定する。上値メドは159円60銭、下値メドは158円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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