日米金融会合待ち、基本はドル強保ち合い
〇ドル円、154.50-156.50の2円レンジ上放れたもののレンジ取引、下値堅く156.70前後で下げ渋り
〇上値も重く157円半ばにも届かず、新規材料難でやや動きにくい
〇日米中銀の金融政策発表までドルは強保ち合い、157円台中心としたレンジ取引続くか
〇良好な米雇用統計を受け予想以上の強気の見通し示されれば、ドル買い支援要因で再び160円視界内
〇ドル高円安方向、東京高値157.20レベルが最初の抵抗、超えると5月末高値157.71目指す
〇ドル安円高方向、米雇用統計発表後安値156.40-50の攻防に注目。少し下に21日線もあり底堅そう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.50-157.40
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場はレンジ取引。157円挟みの一進一退で、積極的な動意も手控えられている。
先週末は、欧州議会選の結果が徐々に明らかになるなか、マクロン仏大統領が突然の下院解散・総選挙を表明し話題に。一方、北朝鮮が再び「汚物風船」を韓国に飛ばし、それに韓国が報復するなど、さらなる関係悪化が指摘されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は156.75円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。下値は堅く156.70円前後で下げ渋ったが、ゴトー日仲値不足なども取り沙汰されるなか、上値も重い。結局157円半ばにもとどかなかった。16時現在では156.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「欧州議会選」と「G7会合」について。
前者は、欧州議会選挙(定数720)の開票が伝えられ、議会事務局が発表した日本時間10日午前時点の予測によると、極右および右派の2会派が議席を計118から計133に増やす見込みとされていた。国別では、確かにドイツで右派躍進し連立与党が大敗する見通しとされたほか、フランスも与党連合がルペン氏率いる極右の国民連合に大差で敗北。それを受け前述したように、マクロン仏大統領が突然の下院解散・総選挙を表明するという事態に発展している。最終的な選挙結果が明らかになるのはもう少し先だが、EUによるウクライナ支援などに変化が生じる可能性も取り沙汰されており、今後の動静にも注意を払いたい。
対して後者は、今週市場で注目を集めているのは現地12日の米FOMCの結果発表、同14日の日銀会合結果発表の大きく2つだが、隠れ材料として13-15日に開催されるイタリアG7を注視している向きも少なくない。ウクライナのゼレンスキー大統領も参加するなか、ロシアのウクライナ侵攻に結束して対応する方針を確認するもようだ。また、そのなかで凍結したロシア資産の利子をどのようにウクライナ支援に活用できるかも議論されるという。一方、中東情勢についても、サウジアラビアのサルマン皇太子が参加を表明するなか、突っ込んだ議論がなされる見通しだ。今後の世界情勢を見極める政治ファクターとして、非常に重要な意味を持つものになる可能性もある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末、良好な米雇用統計を受けドル高が進行。再び157円台へと乗せてきた。リスクは上方向に高そうで、158円そして160円に向けた値動きを予想する向きが少なくないものの、157円より上の水準は当局の「円買い介入シーリング」と考える参加者も多く、一本調子のドル高進行も見込みにくい状況だ。少なくとも、日米中銀の金融政策発表までドルは強保ち合い、157円台を中心としたレンジ取引が続く可能性もある。
市場は今週予定されている日米中銀会合に注目。様々な思惑が飛び交っているものの、現行金利の据え置きではほぼ一致しており、問題は先行きについて。とくに米国は、先週末に発表された良好な米雇用統計を受け、ブルームバーグでは「一部では利上げを否定できないとの声もある」−−と報じていたほどだ。仮に、予想以上の強気の見通しが示されれば、明らかなドル買い支援要因となり、再び160円が視界内に捉えられることになるかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は目先推移していた154.50-156.50円の2円レンジを上放れ。しかし、それほど大きく値は跳ねず、むしろドルの上値の重さを露呈した。リスクはドル高方向ながら、引き続き上値は重そうだ。ちなみに、ドルの上値メドは前回高値157.71円で、それを超えるとフィボナッチポイントの158.25円がターゲットに。
対するサポートは移動平均の21日線も近くに位置する156.40-50円か。
本日は目立った米経済指標の発表はないほか、ブラックアウト期間ということで米当局者らの講演などもとくになし。新規材料難でやや動きにくそうな雰囲気だ。ただ、今週は週の半ば以降、重要材料が続くだけに、飽くまでも「嵐の前の静けさ」といった見方も少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.50-157.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値の157.20円レベルが最初の抵抗。超えると5月末高値の157.71円を目指す。
対するドル安・円高方向は、先週末の米雇用統計発表後安値である156.40-50円の攻防にまずは注目。しかし、少し下には21日線も位置しており、かなり底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.06.10
東京市場のドルは157円台で推移、FOMCまでは小動き継続か(24/6/10)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米雇用統計後の余韻も受けて、じりじりとした円安ドル高の流れが続き、157円台での推移となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2024.06.10
ドル円 FOMCの金利見通し次第でどちらにも動きうる(週報6月第2週)
先週のドル円は、週前半は日銀会合で国債購入額の減額が検討されるとのはなしをきっかけに、テクニカルに前日安値を下抜けたことから円買い戻しが先行しました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。