ドル円155円台半ば、予想外にタカ派な日銀「主な意見」で一時急反落するも底堅く推移
9日午前の東京市場で、ドル円は155円台で底堅い動き。今朝がた日銀が公表した4/25-26開催の政策決定会合の「主な意見」では、「展望レポート通り実現すれば、金利のパスは市場で織り込まれているより高いものになる可能性がある」「経済・物価・金融情勢に応じて、緩やかな利上げを行うことで金融緩和度合いを調整することも選択肢として考えられる」「今後、見通しの確度の高まりに合わせて、適時適切に、政策金利を引き上げていくことが必要である」等予想外に金利引き上げに前のめりの記述が見られ、また、今回ゼロ回答で市場の期待を裏切った国債の買い入れについても、「どこかで削減の方向性を示すのが良い」「国債買入れの減額も、市場動向や国債需給をみながら、機を捉えて進めていくことが大切である」「毎月の長期国債買入れを減額することは選択肢である。市場の予見可能性を高める観点で、減額の方向性を示していくことも重要である」と減額の方向性が明確となっており、予想外にタカ派色の濃い内容。
これを受けて朝方155.53レベルで取引の始まったドル円は、9時過ぎに一時155.17まで急落する場面がありました。一方で「主な意見」の別の部分には「(円安は)インバウンド需要の増加や製造業における生産拠点の国内回帰などを通じ、中長期的には生産や所得への拡張効果もあるため、基調的な物価上昇率の上振れにつながり得る」、「円安を背景に基調的な物価上昇率の上振れが続く場合には、正常化のペースが速まる可能性は十分にある」と読み方によっては円安を必ずしも否定的にとらえていないともとれる記述部分もあり、ドル円の下落は早々に解消、10時前には155.70まで反騰して前日海外高値を超えました。その後は方向感を失って155円台半ばでのもみあいに転じ、東京時間正午現在は155.57で取引されています。
日経平均株価は、序盤前日終値付近でもみ合いましたが、前日、600円超の大幅の下げとなったことから割安感の出た銘柄に買い戻しが入り、もみ合いながら下値を切り上げる展開となりました。前場終わりに向けては、金融、不動産等の銘柄を中心に多くの業種が上げて、189円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場でドル円は、東京時間に155円台に乗せた流れを受け底堅く推移。米国時間には一時155.68の高値をつけ、155円台半ばで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、21日移動平均線を上抜けて155.49レベルの基準線付近での動き。ドル買い地合いが継続しています。一方で、すでに介入要警戒エリアに入っており、今回の介入前高値160.17から151.86の半値戻し156.01や、同61.8%戻し157.00を当局の顔色をうかがいながら、恐る恐る試していく神経質な動きとなりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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