トルコリラ円見通し ドル円の反騰に合わせて3連騰だが、戻り一巡後の反落に注意(24/5/9)

トルコリラ円の5月8日は概ね4.83円から4.79円の取引レンジ、9日早朝の終値は4.82円で前日終値の4.79円から0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰に合わせて3連騰だが、戻り一巡後の反落に注意(24/5/9)

ドル円の反騰に合わせて3連騰だが、戻り一巡後の反落に注意

〇トルコ円、ドル円の反発追いかけ5/6から3連騰、5/8夜には4.83まで高値を切り上げる
〇本日午前はドル円反落気配を受け、8時台に4.79まで下げるなど戻り一巡感も
〇ドル円3度目の介入に要警戒、ドル円急落の場合4.70台前半を試す流れへ進みやすいか
〇対ドル、5/8は概ね32.31から32.01の取引レンジ、本日早朝の終値は32.25
〇4/25以降はドル安リラ高基調で推移するも、1ドル32リラに抵抗感
〇4.83を下回るうちは一段安余地ありとし、4.78割れからは4.76前後への下落を想定
〇4.83超えからは4.85前後への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の5月8日は概ね4.83円から4.79円の取引レンジ、9日早朝の終値は4.82円で前日終値の4.79円から0.03円の円安リラ高だった。
ドル円が4月29日の市場介入をきっかけとして5月3日夜へ大幅下落し、下落一巡後の買い戻しで5月6日から8日へ3連騰した流れに合わせ、トルコリラ円は4月29日午前高値4.92円から5月3日夜安値4.69円まで大幅下落してからドル円の反発を追いかけて5月6日から7日へ連騰し、8日夜には4.83円まで高値を切り上げて3連騰とした。しかし9日午前はドル円が反落気配となり8時台に4.79円まで下げるなど戻り一巡感も見られる。

【ドル円の3度目介入を警戒】

ドル円は4月29日高値160.16円から5月3日夜安値151.85円まで8.31円の下落幅となったが、8日夜高値で155.66円を付けて3日夜安値からの戻り幅を3.81円とし、日足は5月6日から8日まで3連騰とした。先週の下げ幅に対する3分の1戻し154.62円を超えて半値戻しの156円に迫ったが、9日午前に155.10円台へ失速するなど戻り一巡感も見られる。

政府日銀による覆面介入は4月29日午後に5兆円規模とされ、5月2日早朝のFOMC声明発表直後に2度目の覆面介入(3兆円規模)を行い一段安を誘発し、5月3日の米雇用統計が弱かったことで151.85円まで安値を切り下げた。売り一巡による買い戻しで連騰してきたところだが、3度目の市場介入への警戒感もあり、一度目の介入水準まで戻す前に2度目の介入が行われているため、半値戻しを超えて勢い付くことを抑制するような3度目の介入も警戒すべきところだ。
トルコリラ円はドル円を追いかける状況のため、実弾介入がなくても警戒感から売りの連鎖反応でドル円が急落する場合にはトルコリラ円も戻り一巡から下落期に入り4.70円台前半を試す流れへ進みやすくなるのではないかと考える。

【ドル/トルコリラは1ドル32リラに抵抗感】

ドル/トルコリラの5月8日は概ね32.31リラから32.01リラの取引レンジ、9日早朝の終値は32.25リラで前日終値と変わらなかった。
4月12日への一段安で取引時間中の史上最安値を33.03リラへ更新し、終値ベースでも4月24日終値32.54リラへ史上最安値を更新したが、4月25日にトルコ中銀が政策金利の週間レポレートを50%で据え置いたもののインフレ抑制のために利上げ状態を続ける姿勢を示したことでリラ売りにブレーキがかかり、大手格付け会社S&Pがトルコ格付けを引き上げたことも支援となって4月25日以降はドル安リラ高基調で推移している。
しかし、5月3日から繰り返し1ドル32.0リラを試しているものの抵抗感がありリラ買いの勢いもやや鈍りつつある。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、5月3日夜安値からの反騰により5月3日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして5月7日の日中から8日午前にかけての間への上昇を想定し、8日午前時点ではサイクルトップ形成期の延長入りによる上昇余地ありとした。
5月8日夜に4.83円まで高値を切り上げてから9日午前に4.80円をいったん割り込んだため、8日夜高値で直近のサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしたと思われる。ボトム形成期は9日午前から10日夜にかけての間と想定されるので、8日夜高値を超えないうちは一段安余地ありとするが、8日夜高値超えからは新たな強気サイクル入りとして13日夜から15日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では5月3日夜安値からの反騰で遅行スパンが好転し、7日午前への続伸で先行スパンも上抜いたが、9日午前の下落で遅行スパンは悪化しやすい位置に来ている。遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意するが、遅行スパンが再び好転するところからは新たな上昇期入りとみて高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は5月8日午後から8日夜へ高値を切り上げた際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられて50ポイントをいったん割り込んだため30ポイント以下への低下を伴う下落を想定するが、60ポイント超えからは一段高へ進むとみて70ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.78円を下値支持線、4.83円を上値抵抗線とする。
(2)4.83円を下回るうちは一段安余地ありとし、4.78円割れからは4.76円前後への下落を想定する。4.76円以下は反騰注意とするがドル円が急落する場合には4.74円前後へ下値目途を引き下げる。
(3)4.83円超えからは4.85円前後への上昇を想定する。4.85円以上は反落警戒とするが、4.83円を超えた後も4.81円を上回っての推移なら10日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。

【当面の主な予定】

5月9日
16:30 中銀インフレレポート
20:30 週次 外貨準備高

5月10日
16:00 3月 鉱工業生産 前月比 (2月 2.4%)
16:00 3月 鉱工業生産 前年同月比 (2月 11.5%)
16:00 3月 失業率 (2月 8.7%)

5月13日
16:00 3月 経常収支 (2月 -32.7億ドル)
16:00 3月 小売売上高 前月比 (2月 3.5%)
16:00 3月 小売売上高 前年同月比 (2月 25.1%)

5月15日
17:00 4月 財政収支 (3月 -3090億リラ)


注:ポイント要約は編集部

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