ドル円 ドル戻り歩調続くが155円は一旦壁か(5/7夕)

東京市場はドルが続伸。一時154.60円台まで値を上げたが、そこから上は重かった。

ドル円 ドル戻り歩調続くが155円は一旦壁か(5/7夕)

ドル戻り歩調続くが155円は一旦壁か

〇ドル円、153.90円前後で寄り付き一時154.60台まで値を上げたが、その後は上げ渋り揉み合いに
〇ドルの下値追いも一巡した感があるが、ドル高基調そのものは依然として継続しているか
〇154円半ばが短期的な抵抗として寄与していると思われ、まずは同レベルの攻防に注目
〇短期的には153-156円レンジのなかで、落ち着きどころを探る動きとなるか
〇欧米時間のドル/円予想レンジは153.60-154.80、ドル高円安方向は154.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安円高方向は、153.40レベルに弱いサポート、それを下回ると153円割れも

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが続伸。一時154.60円台まで値を上げたが、そこから上は重かった。

ドル/円は153.90円前後で寄り付いたものの、当初は方向性が定まらず。154円前後でアップダウンをたどるも、その後は緩やかな右肩上がり。一時154.60円台まで値を上げた。しかし、近くには移動平均の21日線が位置することもあってか上げ渋ると揉み合いに。16時現在では154.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、豪ドルが一時急落。豪中銀が政策金利を据え置いたことが嫌気されると、対円では102円半ばから102円前後に値を下げ、その後も冴えなかった。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「円買い介入」について。
前者は、昨日は目立った米経済指標の発表はないなか、NY連銀総裁から「FRBはいずれ利下げを実施する」、リッチモンド連銀総裁による「金利上昇の本格的な影響はこれから表れる」との発言が聞かれていた。ともに、やや弱気な見通しだったとの声が優勢で、為替市場においてはわずかながらドル売りの要因に。しかし、ふたりとも具体的な利下げ時期に言及していないなど、あまり「弱気」に傾斜し過ぎた見方も危険であるとも考えられる。

対して後者は、週末にイエレン米財務長官から、日本の介入についての言及を避けたうえで「為替介入はまれであるべき」との発言が聞かれ、これが日本に対するけん制との見方も取り沙汰されていたが、そうしたなか今度はIMFのゲオルギエバ専務理事が国際会議で「円相場の下落は本当に劇的だった」と述べたうえで、日本政府・日銀による為替介入とみられる対応に理解を示したと伝えられている。なお、そうした状況下、神田財務官からは「イエレン発言にコメントしない」と前置きしたうえで、「各国中銀当局とは緊密に意思疎通」、「過度な変動や無秩序な動きあれば適切に対応」といった発言が聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、日本当局の円買い介入などもあり、一時151円台まで下落したものの、ドルの下値追いも一巡した感。だからと言って、すぐに再び160円台へと向かう展開とはならないだろうが、ドル高基調そのものは依然として継続しているとみて間違いなさそう。本日東京を見る限り、移動平均の21日線が位置する154円半ばをしっかりと超えられず、短期的な抵抗として寄与していると思われるだけに、まずは同レベルの攻防に注目だ。
日米金融政策が依然として注目を集めるものの、うち米国については依然として市場の見方が二転三転するという状況をたどっている。週末の米雇用統計の悪化もあり、「年内二度の利下げ」観測が有力視される状況下、前述したNY連銀総裁発言などを受け、目先はさらに弱気ムードが強まっているが、果たして実際のところはどうなのだろう。短期的には、発表される米経済指標の内容や通貨当局者の発言如何で、まだまだ見通しが三転も四転もする可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に一時151円台まで下落したものの、短期的には同レベルで目先底入れした感もある。もっとも、4月29日の160.22円が当面の上値となったようで、もっとも広くとれば151.86-160.22円というレンジ内で次の方向性を探る展開か。短期的には153-156円あたりはなかなか居心地が良さそうで、そのなかで落ち着きどころを探る動きとなりそう。ただ、仮に狭いレンジ取引でも、次の動意に向けたエネルギー蓄積で嵐の前の静けさ、の可能性がある。

本日は米経済指標として、レッドブック週間小売売上高や3月の消費者信用残高などが発表されるものの、正直注目度はさほど高くない。また、それ以外も材料は全体的に乏しいものの、ロシアで行われるプーチン大統領の就任式と、それにともなう要人発言などを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.60-154.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値である154.65円レベルが最初の抵抗。抜けると155円を目指すも、一連の過程では再び実弾介入警戒感が強まりそうだ。
対するドル安・円高方向は、153.40円レベルに弱いサポートがあり、それを下回ると153円割れも。底堅いイメージもあるが予断を許さない。

ドル戻り歩調続くが155円は一旦壁か

ドル円日足


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