東京市場のドルはじりじりと上昇し154円台半ば、3回目の介入実施は155円台のオセアニア市場か(24/5/7)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、神田財務官の円安けん制発言があったにも関わらずじりじりと上昇し、154円台半ばで推移した。

東京市場のドルはじりじりと上昇し154円台半ば、3回目の介入実施は155円台のオセアニア市場か(24/5/7)

東京市場のドルはじりじりと上昇、3回目の介入実施は155円台のオセアニア市場か

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、神田財務官の円安けん制発言があったにも関わらずじりじりと上昇し、154円台半ばで推移した。

昨晩の海外時間では、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ観測にドル売りが優勢となったほか、中東情勢の悪化を警戒した円買いがやや優勢となったが、売り一巡後はドルの買戻しが先行し154円水準で推移した。

東京時間では、朝方、神田財務官が「為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要」「過度な変動や無秩序な動きがあれば政府が適切な対応する」「各国当局と意思疎通、連携継続に変わりなし」「マーケットが健全に機能していれば介入の必要ない」などと円安けん制発言を行った一方、ドルはじりじりと上昇し154円台半ばでの推移となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:153円97銭
高値:154円65銭
安値:153円88銭
終値:154円54銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:165円80銭
高値:166円48銭
安値:165円79銭
終値:166円26銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:101円97銭
高値:102円47銭
安値:101円94銭
終値:102円02銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:193円40銭
高値:194円14銭
安値:193円40銭
終値:193円81銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38636円23銭
高値:38863円14銭
安値:38541円97銭
終値:38835円10銭(前日比+599円03銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時30分、英、4月建設業PMI、前回:50.2、市場予想:50.3
18時00分、欧、3月小売売上高(前月比)、前回:−0.5%、市場予想:0.7%
18時00分、欧、3月小売売上高(前年比)、前回:−0.7%、市場予想:−0.1%
18時00分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演
23時00分、欧、ナーゲル・独連銀総裁がパネルディスカッションに出席
24時30分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会に参加
26時20分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がTVインタビュー

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

時間外の米10年債利回りは4.47%台まで低下しているが、ドルは154円台半ばでしっかりとした推移を見せている。3日の米雇用統計発表後にドルは急落したが、50日移動平均線水準で下影(下ヒゲ)を残しており、足元の下値不安は乏しくリバウンド優勢となっている。

政府・日銀による円買い介入は4月29日と5月2日の2回、合計8兆円ほど実施されたとの観測だ。1回目に実施した160円よりも下の157円水準で2回目の介入を行ったと市場では見られていることで、157円より下でも3回目の円買い介入を実施する可能性は十分にある。

日米金利差の縮小など明確なファンダメンタルズの変化が確認できない状況下、円買い介入による円安一服は「一時的」の効果に留まる。来週15日発表予定の4月米消費者物価指数(CPI)でインフレの再加速が確認できた場合、ドル高は進み、投機筋は円売りポジションを積み上げることだろう。

円買い介入が時間稼ぎでしかないことは、政府・日銀も当然ながら理解しているはずだ。だからこそ、限られた介入資金で為替にインパクトを残すため、2回目は157円水準で実施したのだろう。為替操作国の問題を考慮すると残りの円買い介入資金は3兆円ほどか。仮に155円水準で5兆円規模の円買い介入を実施すると、市場は「段階的に介入水準が切り下がったことから、次は152−3円でも実施するかもしれない。そして、為替操作国の話は考えない方がいい。まだまだやる気だ」と介入か警戒は非常に強まると推測する。

今晩の海外時間では、ニューヨークからオセアニアに主戦場が移る東京時間5時頃に、155円台で推移していた場合、円買い介入が入りドルは乱高下するかもしれない。上値メドは155円20銭、下値メドは152円00銭とする。

東京市場のドルはじりじりと上昇、3回目の介入実施は155円台のオセアニア市場か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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