ドル円 ドル高基調そのものは継続、ただ上値重そう(5/6夕)

週明けのアジア市場はドルが堅調裡。緩やかではあるものの、おおむね右肩上がりの様相だった。

ドル円 ドル高基調そのものは継続、ただ上値重そう(5/6夕)

ドル高基調そのものは継続、ただ上値重そう

〇本日のドル円、152.90前後で寄り付き日中安値152.80レベルを示現した後は右肩上がりの展開
〇午後には154円前後とトータルで1円超える上昇、16時現在153.70-75で推移
〇155円レベルは高値160.22起点とした下げ幅の半値戻しに重なり、ドルの上値重い
〇153-155円程度の保ち合いとなり、次の方向性を探る展開か
〇ドル高円安方向、アジア時間高値154円レベルが最初の抵抗。抜けると21日線のある154.30-40目指す
〇ドル安円高方向、短期的なサポートは153円前後。下回ると152円前半から先週安値151.86が視界内
〇欧米時間のドル円予想レンジ:153.20-154.40

<< アジア市場の動き >>

週明けのアジア市場はドルが堅調裡。緩やかではあるものの、おおむね右肩上がりの様相だった。

先週末は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止と人質解放をめぐる間接交渉が実施されたほか、日本絡みではGWを利用した岸田首相や上川外相、木原防衛相などの外遊がたびたびニュースで取り上げられていた。
そうした状況下、ドル/円は152.90円前後で寄り付いたのち、日中安値の152.80円レベルを示現。しかし、以降は右肩上がりの展開をたどると、午後には154円前後とトータルで1円を超える上昇をみせた。とくに新規の材料はなかったが、週末に伝えられたイエレン米財務長官発言「為替介入はまれであるべき」−−が材料視されているとの見方も取り沙汰されていたようだ。16時現在では153.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ガザ情勢」と「為替介入」について。
前者は、前述したイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止と人質解放をめぐる間接交渉が週末に実施されたものの、進展については「交渉は難航している」といった報道も観測されている。そうしたなか、米国とイスラエルの国防相が電話会談を実施し、米国はラファ侵攻の自制を促したとされるが、イスラエル側の態度を翻すまでには至らなかったようだ。別の報道では、イスラエル国防相が「ラファでの作戦を近いうちに開始する可能性があることを明らかにした」と報じられている。なお、米ニュースサイトのアクシオスによると、米国はイスラエルへの弾薬輸送を先週はじめて「停止した」という。

対して後者は、先週末に日中韓の財務相・中銀総裁が会合を開き「為替の急変動は成長にリスク」と指摘したほか、東南アジア諸国連合と日中韓3ヵ国(ASEANプラス3)の財務相・中銀総裁会議でも「投機的な動きにともなう為替の過度の変動への懸念」が共有されていた。しかし、その一方でブルームバーグは、サマーズ元米財務長官が「為替相場を動かす手段としての介入は効果が薄い」と述べたと報道。さらに、イエレン米財務長官は日本の介入についての言及を避けたうえで「為替介入はまれであるべき」と述べたと伝えられていた。先でも取り上げたように、後者のイエレン発言が本日アジア時間のドル買戻しの材料になった感もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末に発表された注目の米雇用統計が予想以上に悪化したこともあり、一時151円台まで下落。ドルの上値トライは仕切り直しになったばかりか、基調転換そのものも取り沙汰されたが、そののち本日のアジア時間には154円レベルまで値を上げる局面も観測されていた。少なくともドル高基調はいまだ継続していると考えられる。とは言え、ここからはドルの上値も重そうで、今週末にかけて155円近くまで上昇する移動平均の21日線が強い抵抗として寄与する可能性も否定できない。
日米金融政策が依然として注目を集めるなか、米国については先週だけで思惑が二転三転する目まぐるしさ。結果的には、週末の米雇用統計の悪化もあり、「年内二度の利下げ」観測が有力視される状況と、やや弱気に傾斜している感がある。そうしたなか、先で取り上げたイエレン発言もあり、日本の当局による追加的な実弾介入が難しくなったといった見方が広がりつつあることが気掛かり。一足飛びではないにせよ、再び157-158円といったレベルに達し、日本当局の介入姿勢を試すなどといった展開を見込む向きも少なくない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に一時151円台まで下落したものの、その後はドルの戻り歩調。しかし、足もとは約1ヵ月半ぶりに21日線をNYクローズでも下回っている状況であり、さらに155円レベルは高値160.22円を起点とした下げ幅の半値戻しにほぼ合致する。そろそろドルの上値が重くなっても不思議はない。一旦は153-155円程度の保ち合いとなり、次の方向性を探る展開となる可能性も。

本日は目立った米経済指標の発表などはなし。しかし、米国を中心に欧州についても当局者などの講演等の発言機会が数多く予定されている。その内容には注意を払いたい。また大詰めを迎えている感のあるガザ情勢の行方にも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.20-154.40円。ドル高・円安方向は本日アジア高値である154円レベルが最初の抵抗。抜けると21日線が位置する154.30-40円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、短期的なサポートとして育ちつつある153円前後が最初のサポートか。それを下回ると152円前半、そして先週安値151.86円が視界内に。

ドル高基調そのものは継続、ただ上値重そう

ドル円日足


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