ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開。イエレン米財務長官発言もドル円の支えに(5/7朝)

週明け6日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開。イエレン米財務長官発言もドル円の支えに(5/7朝)

日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開。イエレン長官発言もドル円の支えに

〇ドル円、急ピッチな下落の反動、イエレン財務長官による介入牽制発言等に米国時間に154.01まで上昇
〇ユーロドル、1.07台後半で方向感に欠ける動き
〇ドル円、複数のサポートポイント(50日線、90日線、200日線、一目均衡表雲上限)並び、地合い維持
〇ファンダメンタルズも、円キャリートレードの継続期待、介入余力の低下懸念等がドル円下支えに寄与
〇米国の牽制もあり、余程激しい「円売り圧力」が再燃しない限り、正当な介入理由を作ること難しいか
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.00ー155.00

海外時間のレビュー

週明け6日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値152.80まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落(※先週のドル円は、週初に記録した約34年ぶり高値160.24をトップに反落に転じると、政府・日銀による為替介入と思しき断続的なドル売り・円買いや、ややハト派寄りの米FOMC、冴えない米雇用統計を受けて、週末かけて一時151.87まで大暴落)に対する反動買い・押し目買いや、(2)ボウマンFRB理事による「データ次第では追加利上げの用意がある」との先週末のタカ派的発言、(3)イエレン米財務長官による「こうした介入はまれであるべきで協議が行われることが期待される」との日本の為替介入に対する牽制発言、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、米国時間正午に向けて、高値154.01まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/7午前4時50分現在)では、153.95前後で推移しております。尚、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁による「強い労働市場を考えると、インフレが確実に下がると確信が持てるまで、時間をかける余裕がある」との発言や、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「全体のデータに基づいて利下げを決定する」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

週明け6日(月)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値1.0755まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ユーロ圏4月総合PMI(結果51.7、予想51.4)の市場予想を上回る結果(昨年5月以来の高水準)や、(2)ユーロ圏5月投資家信頼感指数(結果▲3.6、予想▲5.0)の市場予想を上回る結果、(3)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0791まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ユーロ圏3月生産者物価指数(結果▲7.8%、予想▲7.7%)の伸び率鈍化が改めて意識されたことや、(5)レーンECB専務理事兼主任エコノミストによる「インフレ率が目標に向かって鈍化していくことを確信している」とのハト派発言、(6)リトアニア中銀シムカス総裁による「年内3回の利下げを見込む」とのハト派発言、(7)クロアチア中銀ブイチッチ総裁による「金利は時間の経過とともに徐々に引き下げられるだろう」とのハト派発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5/7午前4時50分現在)では、1.0768前後まで値を崩す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は4/29に記録した約34年ぶり高値160.24をトップに反落に転じると、先週末金曜日に一時151.87まで急落しました(僅か4日間で8円を超す大暴落劇)。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(50日線、90日線、200日線、一目均衡表雲上限)が並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(下値余地は限定的)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待や、政府・当局による為替介入余力の低下懸念など、ドル円相場の下支えに寄与する材料が散見されます。特に後者については、4/29に5.5兆円規模、5/1に3.0兆円規模の為替介入に踏み切ったと推測されることから、介入余力は残り15.5兆円程度(※3月末時点の外貨預金24.0兆円との差分)しか残っていないと考えられます(※但し、2022年9月のように保有する米債を換金して介入資金に充てる手法を取る場合は、満期1年未満の短期証券が加わることから、上記15.5兆円に加えて、追加で26.6兆円相当の介入余力が生まれるとの見方もあり)。

加えて、イエレン米財務長官からも「こうした介入はまれであるべきで協議が行われることが期待される」と牽制されているため、余程激しい「円売り圧力」が再燃しない限り、正当な介入理由を作ることが難しい状況になりつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はミネアポリス連銀カシュカリ総裁発言や、米3年債入札、米3月消費者信用残高が予定されています。

本日の予想レンジ:153.00ー155.00

日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開。イエレン長官発言もドル円の支えに

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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