ドル円:12月5日からの先週
先週のドル円は総じて見れば底堅く推移しました。
イタリアの国民投票で憲法改正案が否決されレンツィ伊首相の辞任でリスク・オフの円買いとなり週初こそ112.85まで下落したものの、トランプ次期米大統領の経済政策への期待感、FOMCの追加利上げ観測を背景にドル買いで115.36まで反発、その高値圏のまま週を引けています。
5日は、先週引けが113.53に対し113.27で始まり、ややギャップダウンのあと112.85まで売りが先行。これはイタリアのレンツィ首相の憲法改正案が国民投票で否決され、レンツィ首相が辞任を表明した為です。イタリア懸念が浮上した為です。
その後、米10年債利回りが2.42%台まで一転上昇、11月米ISM非製造業指数も予想を上回り114.77まで大きく戻しました。米10年債利回りはその後再度低下に転じ113.16まで急落、荒い値動きの後113.86で引けました。
6日は、前日引けの113.86で始まり、直後に6日安値の113.49まで下げました。その後は大きな材料のない中、じりじりと上昇、6日高値の114.18まで戻して114.01で引けました。
7日は、前日引けの114.01で始まり、日本株高を背景に7日高値の114.40まで上昇。NY時間に入り米10年債利回りが低下した為、一転113.40まで下押ししました。その後ダウ平均が300ドル超上げたことで113.99まで反発した後、113.75で引けました。
8日は、前日引けの113.75で始まり、直後に8日安値の113.12まで下げました。海外時間に入るまではそのまま113.40水準でもみ合いながら横ばい推移。その後、欧州時間にECBが債券購入プログラムを延長したほか、ドラギECB総裁も定例記者会見で緩和姿勢を強調したことでユーロドルが急落。ドル円は114.37まで一気に上昇後、114.03で引けました。。
9日は、前日引けの114.03で始まり、直後に9日安値の114.00まで下げました。その後は株高や米金利上昇を背景にじりじりと終日上昇を続け、バリアオプションが観測されていた115.00を上抜けてストップロスを巻き込み、115.36と2月9日以来の高値を付け115.33で引けました。背景は日経平均株価が、277円高と19042.48円まで上昇したことによる円売り、米10年債利回りが一時2.44%台まで上昇したことによるドル買いが考えられます。
ドル円:12月12 日からの今週
ポイント: 14日08:50 日銀・企業短期経済観測調査(短観・企業の物価見通し、12月調査)
15日04:00 FOMC、終了後政策金利発表と FOMC、経済・金利見通し発表
15日04:30 イエレンFRB議長、定例記者会見
CME通貨先物ポジション状況:12月6日時点
(12月6日) (11月29日) (11月22日)
円 ▲33937 ▲269 10900
ユーロ ▲114556 ▲119240 ▲119348
ポンド ▲77238 ▲78135 ▲74318
シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジションは、売り持ち高が増加。
年末にかけたウィンドウドレッシング、来年に向けたトランプ次期政権への期待から、金融相場は堅調推移が続くと考えられ、リスク・オンの円買いの動きが予想されます。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
11.75(-0.89) VIX指数は下落しての引け。株価が上値を拡大したことでリスク志向の動きが意識されました。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39
ドル円は、米大統領選挙後、トランプ次期米政権の経済政策、トランプノミクス(大型減税、大規模インフラ投資、規制緩和、米国投資法)への期待感、そして13〜14日のFOMCでの追加利上げ観測を背景に101.20から115.36まで値を上げてきました。 上値目途は、2015年の高値125.86から2016年の安値98.90へ下落幅の61.8%戻しに当たる115.60です。
まず14日に発表される12月日銀短観に注目です。
トランプ次期政権のTPP離脱の悪影響を見極め、来週20日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和の可能性を探る展開でしょう。最近のドル高・円安で、もし上振れとなる場合には日本株高とリスク・オンの円安と想定します。
注目すべきは、大企業・製造業の想定為替レートです。
9月短観の時点では1ドル=107.92円でしたが、現状は115.33で、7円以上ものドル高・円安方向へ乖離しています。この修正による輸出企業の円安による為替差益から、日本株高と円安を想定します。
トランプ次期政権のTPP離脱の悪影響を見極め、来週20日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和の可能性を探る展開でしょう。最近のドル高・円安で、もし上振れとなる場合には日本株高とリスク・オンの円安と想定します。
注目すべきは、大企業・製造業の想定為替レートです。
9月短観の時点では1ドル=107.92円でしたが、現状は115.33で、7円以上ものドル高・円安方向へ乖離しています。この修正による輸出企業の円安による為替差益から、日本株高と円安を想定します。
トランプ氏の大統領選勝利を受けての金利見通しへの変化、2017年の利上げのペースです。基本は0.25%幅の利上げが何回あるのか、または幅自体が0.25%でなくより大幅なもになるのか、この辺りを市場は注目しています。今のところの市場の予想は年2回で、それを上回るような経済見通しや予測、発言などがある場合ドル高要因となるでしょう。
予想レンジは、114.00~117.00 と見ます。
オーダー/ポジション状況
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