ドル円 154円突破も視野、ドルはさらなる続伸も(4/15夕)

週明けの東京市場は、ドルが続伸し高値を更新。円安警戒感が取り沙汰されるなか、154円近くまで値を上げる局面も。

ドル円 154円突破も視野、ドルはさらなる続伸も(4/15夕)

154円突破も視野、ドルはさらなる続伸も

〇本日ドル円、調整の動き先行で153.05-10とややドル安・円高でオープン
〇円安けん制発言あるも緩やかに上昇、夕方に153.90レベルつけ、先週高値を50ポイントほど更新
〇本日は米3月小売売上高、4月NY連銀製造業景況指数、米金融機関を中心とした決算発表に注目
〇中東地域における地政学リスクの高まりにも注意
〇テクニカルには、155円が上値メドとして意識され始める、円買い介入に要注意
〇ドル高・円安方向、154円が最初の抵抗、抜ければいよいよ155円も視界内に
〇ドル安・円高方向、本日上抜けた先週高値の153.39の攻防にまずは注目
〇欧米時間予想レンジ:153.40-154.40

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場は、ドルが続伸し高値を更新。円安警戒感が取り沙汰されるなか、154円近くまで値を上げる局面も。

先週末は、「北朝鮮の金総書記が中国序列3位と会談を実施し、結束を確認した」と伝えられるなか、中東地域における地政学リスクの拡大が話題に。G7首脳がオンライン会合を開催し、「イスラエルの安全に対する関与を再確認」する声明も発表されていた。
そうした状況下、ドル/円は153.05-10円とややドル安・円高レベルでオープン。先で記した中東地域の地政学リスクが材料視され、調整の動きが先行していたようだ。しかし下値は堅く下げ渋ると、その後は一転した動き。鈴木財務相から円安けん制発言が聞かれるなか、緩やかな右肩上がりをたどると夕方には153.90円レベルへ。16時現在では、そのままドル高値圏で推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「イラン情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、イラン革命防衛隊が、イスラエルの特定の標的に対して数十の無人機(ドローン)とミサイルを発射したと発表。これを皮切りに、週末は両国による報復合戦の様相を呈するなど泥沼化していた。そうしたなか、日米英などからイランによる攻撃非難コメントが聞かれていたうえ、G7首脳の臨時会合を開き「対イラン制裁を検討した」と発表している。また、国連も緊急会合を日本時間15日午前に開くことを明らかにするなど非難の声は日増しに強まっているようだ。ただ、バイデン米大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イランに対するいかなる対抗措置にも米国は参加しないとの考えを示したと伝えられるなど、現在のところ直接的な米国などによる関与は見送る見通しだ。

対して後者は、韓国の聯合ニュースが「北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げ準備は最終段階にある」と報じて話題に。「月内にも実施される」といった見方も取り沙汰されているようだ。そうしたなか、北朝鮮の金朝鮮労働党総書記が、中国共産党序列3位の趙全国人民代表大会(全人代)常務委員長と会談し、中国との長年の関係を発展させる立場を確認したという。また、労働新聞は首都平壌で12日に開かれた中国との国交樹立75周年の記念行事開幕式について1面で伝えたうえで、「中朝は血盟関係にある」と関係誇示を行っていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間に改めて高値を更新。先週示現した153.39円を50ポイントほど更新する展開をたどっていた。改めて指摘するまでもなく、ドルは先日まで152円を壁に2週間以上も上げ渋るという経緯を経ているだけに、それを考えると鈴木財務相などが指摘する「過度の変動」とは言い難い面もある。しかし、3月8日安値146.48円を起点とすれば、1ヵ月強で7円を超える変動だ。こちらからすると、逆にそろそろ円買い介入には要注意かもしれない。
今週も、まずは日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めそうだ。そうしたなか発表される米経済指標に注目で、とくに本日のNY時間に発表される3月の小売売上高を注視している向きもある。また、それとともに市場の懸念要因として急浮上してきたのが前段でも取り上げた中東地域における地政学リスクの高まりになる。為替もさることながら、原油やゴールド、あるいは暗号資産相場への影響も懸念されており、関連情報には注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京時間に続伸。154円には惜しくもとどかなかったが、それでも気が付けばあと1円強。155円が現実的な上値メドとして意識され始めた感がある。果たして、政府・財務省が円買い介入に動くか否かを含め、ドル/円の先行きには要注意だ。
ちなみに、今週の「週報」でもレポートしたように、2022年の初介入時には151円台から一気に7円ものドル安・円高が進行したという「実績」がある。それからすると、今回仮に介入が観測されれば147-148円が一応の下値メドだろうか。

本日は米経済指標として、4月のNY連銀製造業景況指数や3月の小売売上高などが発表される予定となっているほか、ゴールドマン・サックスなどの米金融機関を中心とした決算発表も実施される見込みだ。前者については、さらなるドル高を支援する内容となるのか否かが注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.40-154.40円。ドル高・円安方向は台替わりとなる154円が最初の抵抗で、抜ければいよいよ155円も視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日上抜けた先週高値の153.39円の攻防にまずは注目だ。もっとも下回っても、実弾介入による下げでなければ下値は限られそう。

154円突破も視野、ドルはさらなる続伸も

ドル円日足


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