東京市場のドルは153円86銭まで上昇、神田財務官の沈黙は「実施覚悟」の沈黙か(24/4/15)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府高官から目立った口先介入が観測されなかったこともあり、じりじりとした円安が続き153円86銭までドルは上昇した。

東京市場のドルは153円86銭まで上昇、神田財務官の沈黙は「実施覚悟」の沈黙か(24/4/15)

東京市場のドルは153円86銭まで上昇、神田財務官の沈黙は「実施覚悟」の沈黙か

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府高官から目立った口先介入が観測されなかったこともあり、じりじりとした円安が続き153円86銭までドルは上昇した。

先週末の海外時間では、関係筋の話としてイスラエルが数日内のイランからの報復攻撃を警戒しているとの報道で中東地政学的リスクの上昇に連れリスク回避の円買いが進み、152円60銭台まで下落する場面がみられた。

ただ、売り一巡後は、4月ミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率が予想外に上昇、さらに米連邦準備制度理事会(FRB)高官の利下げに一段と慎重な姿勢を受け利下げ観測が後退し、ドル買いが再燃。153円20銭台まで値を戻した。

東京時間では、昼頃に鈴木財務大臣が「万全の対策を取りたい」などと発言したが、目新しい発言ではなかったこともあり、じりじりとした円安が続き153円86銭まで円安ドル高が進行。市場では、米金利上昇に伴う日米金利差拡大を背景とした円安ドル高のため、「政府・日銀による円買い介入は実施しにくい」との見方も強まっており、中東情勢の緊迫化を受けてのリスク回避の円買いは入りにくいようだ。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:153円28銭
高値:153円86銭
安値:153円24銭
終値:153円82銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円24銭
高値:163円98銭
安値:163円14銭
終値:163円95銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円04銭
高値: 99円88銭
安値: 99円16銭
終値: 99円84銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円99銭
高値:191円81銭
安値:190円88銭
終値:191円 77銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39056円93銭
高値:39232円80銭
安値:38820円95銭
終値:39232円80銭(前日比−290円75銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、2月ユーロ圏鉱工業生産指数(前月比)、前回:−3.2%、市場予想:0.7%
21時00分、欧、レーンECBチーフエコノミストがイベントに出席
21時30分、米、ウィリアムズNY連銀総裁がブルームバーグTVに出演
21時30分、米、4月NY連銀製造業景気指数、前回:−20.9、市場予想:−7.0
21時30分、米、3月小売上高(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.4%
23時00分、米、3月小売上高(コア)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.6%
26時40分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析など】

日足ベースのドル・円は、151円90銭台の上値抵抗線をついに突破し、152円台を駆け上がり、153円台に突入した。1990年6月以来の水準までドルは上昇。ドル・インデックスは105.8台で上値が重くなったが、昨年11月13日以来の水準までじりじり上昇しており、ドル独歩高の展開となっている。

本日も、為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官からは目立った発言が観測されなかった。米10年債利回りなど米金利が上昇傾向にあり、中東情勢の緊張化という日本当局ではコントロールできない複雑な状況下、円買い介入の効果が疑問視されているのかもしれない。

投機筋の円売りポジションが2007年以来の水準まで積み上がっていることから、オセアニア時間など薄商いのタイミングで円買い介入を行えば、2022年のように4−5円、円高ドル安に振れる可能性はあるが、その効果が長続きするかは微妙だ。

既に投機筋は「政府・日銀は円買い介入を実施できない」と見透かし、円売りポジションを積み上げている可能性はある。ドル・インデックスの動向を見る限り、10日から11日あたりに153円台に乗せた原動力は「ドル買い」だが、本日、153円80銭台まで押し上げた原動力は「円売り」と考える。結果として、「円を売って、ドルを買うので、細かく考えても仕方ないが、「ドル独歩高」と「投機筋による円売りポジションの積み上げ」の組み合わせが、足元のドル・円のレートを形成しており、154円台到達も間近だ。

先週末に述べた「政府・日銀は円買い介入を実施するのが非常に難しい」という考えは変わっていない。ただ、神田財務官の沈黙は、「実施覚悟」の現れかもしれない。円買い介入を実施する可能性は当然ながらゼロではない。

仮に実施する場合、2022年のようにロンドン時間もしくはニューヨーク時間どこでも行うだろうが、効率性を重視するのであれば、やはりボリュームが少ないオセアニア時間と考える。今晩の海外時間はドル一段高を想定するが、東京時間未明の円買い介入実施も警戒しておきたい。上値メドは154円50銭、下値メドは150円00銭とする。

東京市場のドルは153円86銭まで上昇、神田財務官の沈黙は「実施覚悟」の沈黙か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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