ドル円、米小売売上高の良好な結果を受けて節目154.00を難なく突破。34年ぶり高値を更新(4/16朝)

週明け15日(月)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、米小売売上高の良好な結果を受けて節目154.00を難なく突破。34年ぶり高値を更新(4/16朝)

米小売売上高の良好な結果を受けて節目154.00を難なく突破。34年ぶり高値を更新

〇ドル円、米3月小売売上高の予想を上回る結果と米長期金利上昇に米国時間に154.46まで急伸
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、米金利上昇に1.0620まで下落
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズもドル円相場の上昇材料揃う
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.75ー155.00

海外時間のレビュー

週明け15日(月)のドル円相場は大幅続伸。(1)中東情勢緊迫化(イラン・イスラエル問題)に端を発した地政学的リスクの高まりや、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、アジア時間早朝にかけて、安値152.98まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)5・10日要因のドル買い・円売りや、(4)米3月小売売上高(結果+0.7%、予想+0.4%)および、米3月小売売上高・除く自動車(結果+1.1%、予想+0.4%)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが昨年11/14以来の高水準となる4.66%へ急上昇)、(6)心理的節目154.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値154.46(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/16午前5時00分現在)では、154.23前後で推移しております。尚、昨日は神田財務官より「主要国の財務官・中銀幹部と頻繁に連携している」との円安牽制発言が見られましたが、円買いでの反応は限定的となりました。

週明け15日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0665まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)リトアニア中銀シムカス総裁による「2024年の利下げ回数は50%以上の可能性で3回以上になると予想している」とのハト派的な発言や、(2)スロバキア中銀カジミール総裁による「ECBは6月に利下げする可能性がある」とのハト派的な発言、(3)米3月小売売上高の市場予想を上回る結果、(4)上記4を背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0620まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/16午前5時00分現在)では、1.0626前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時154.46まで急伸するなど、1990年6月以来、約34年ぶり高値を大幅に更新しました。日足ローソク足が全てのテクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米雇用統計の力強い結果→米CPIの伸び率加速→米小売売上高の良好な結果に加えて、中東情勢緊迫化に伴う原油価格の高止まりが米国のインフレ長期化懸念を想起→米利下げ観測後退→米長期金利上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による追加利上げ観測の後退(足元で急速に進む円安や中東情勢緊迫化に伴う原油高の影響で輸入インフレ加速→物価高に賃金が追い付かないリスクが再浮上→日銀による追加利上観測後退→円売り)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの再開期待、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退(足元で急ピッチな円安が進行しているにも係わらず政府・日銀は実弾介入に踏み切らず→米国でインフレ懸念が再燃する中、米政府・米FRBはインフレ抑制に寄与するドル高を容認→米国への配慮から政府・日銀は実弾介入に踏み切りづらい→今週のG20を経ても尚為替介入に踏み切れない場合、円安がもう一段進行する恐れあり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米3月住宅着工件数や、米3月建設許可件数、米3月鉱工業生産、米3月設備稼働率に加えて、ジェファーソンFRB理事講演などが予定されています。

本日の予想レンジ:153.75ー155.00

注:ポイント要約は編集部

米小売売上高の良好な結果を受けて節目154.00を難なく突破。34年ぶり高値を更新

ドル円日足

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