次の材料睨みつつ、151円台で保ち合いか
〇本日のドル円、目立った方向性なく、151.20-45といった狭いレンジ内での上下動にとどまる
〇ドル円相場は底堅いが上値も重いという状況、再びレンジ取引の様相
〇ここ数日は151円台での推移、足もとの151円台から上下どちらに抜けるのか、その方向性を注視
〇本日欧米時間の予想レンジは150.90-151.80、ドル高・円安方向は151円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、151円レベルをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場は揉み合い。目立った方向性もなく、前日より狭い20ポイント強のレンジ取引だった。
ドル/円は151.40円前後で寄り付いたものの、動意らしい動意なし。151.20-45円といった非常に狭いレンジ内での上下動にとどまっている。レベル的なものもあってか、鈴木財務相から「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず」といった円安けん制発言も聞かれたが、影響はほとんど見られなかった。16時現在では151.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「米金融政策」について。
前者は、人民銀総裁から「不動産市場に幾つかの明るい兆しが見られる」との発言が聞かれたほか、李強首相は「中国の経済回復は年初以降に改善傾向にある」との見解を示すなど要人からの強気発言が相次いで聞かれたが、いずれも根拠は示しておらず、実現性に
疑問を抱く向きもあった。そうしたなか、中国をめぐるサイバー問題がそこここで一気に噴出した感があり、一部で話題に。たとえば米英両政府が、サイバー攻撃を受け中国国家安全省の関連企業などに制裁を科すと発表したほか、NZと豪州からも中国政府の支援を受ける集団による悪質なサイバー活動に懸念を表明する声明が発表されている。
対して後者は、昨25日に発表された米経済指標はまちまちながら、2月の新築住宅販売件数など関心高めの指標は予想を下回った。しかし、クックFRB理事は「利下げに着手する時期を慎重に見極める必要がある」、シカゴ連銀総裁も「年内3回の利下げを想定している」−−などとコメント。従来の考えから逸脱する内容はなかったことで、指標悪化によるドル売りも限られていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は底堅いが上値も重いという状況で、再びレンジ取引の様相を呈し始めている。期間によって幾つか種類はあるものの、もっとも小さくとればここ数日は151円台での推移をたどっており、形成レンジは151.00-86円か。まずは、足もとの151円台からどのタイミングで、上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視しておきたい。
引き続き日米金融政策が注視されている状況に変化はない。発表される米経済指標に一喜一憂する展開が本日も続きそうだ。基本はレンジ継続を予想するが、指標発表前後はそれでも荒っぽい値動きをたどる可能性もある。また、材料以外で今週は月末そして四半期末、本邦勢の多くにとっては決算期末にあたることで各種の需給要因を警戒する声もあるようだ。週末には米国などがグッドフライデーで休みになることもあり、さらに予断を許さず。
テクニカルに見た場合、ドル/円は150円以上のレベルも見慣れてきた感があり底堅いものの、上値も重そうだ。前述したとおり、短期的には現在形成している151.00-86円での一進一退が続く可能性もある。
ちなみに、レンジを上抜けてもドル高の進行は牛歩だろうが、逆に割り込んだ場合には意外に速いスピードでドル安が進展するリスクも取り沙汰されていた。一応要注意。
本日は米経済指標として、3月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数などが発表される予定となっている。結果的に影響は限定的だったが、昨日発表された2月の新築住宅販売件数などは予想を下回っているだけに、本日も期待を裏切るようだと市場はドル売りで反応する可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.90-151.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値でもある151円半ばが最初の抵抗。抜けると22日高値の151.86円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先でも取り上げた短期レンジの下限に当たる151円レベルをめぐる攻防に注目。下回ると少し遠いが22日安値の150.27円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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