ドル円 ドル底堅く推移も152円手前では上げ渋りか(3/21夕)

東京市場はドルが小安い。一時150円前半まで弱含み、そののち持ち直したが回復し切れなかった。

ドル円 ドル底堅く推移も152円手前では上げ渋りか(3/21夕)

ドル底堅く推移も152円手前では上げ渋りか

〇本日ドル円、寄り付きから1円程度下げた後に持ち直し151円台回復、16時現在150.95-00で推移
〇鈴木財務相、林官房長官から円安けん制発言などもあり、調整の動きに押される格好に
〇日経新聞報道、昨日欧米時間終盤以降のドル売りと本日150.25-30まで下落の一助に
〇日米金利差が早い段階で大きく縮小することは予想しにくい、ドル円は底堅い値動きが当面続くか
〇2022・2023年とドル上値が抑制された151円後半が市場筋に強く認識されるか
〇本日は米新規失業保険申請件数、3月製造業PMI速報値の発表予定
〇ドル高・円安方向、抵抗になりつつある151円半ばをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、本日東京安値150.25-30が最初のサポートか
〇欧米時間の予想レンジ:150.20-151.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。一時150円前半まで弱含み、そののち持ち直したが回復し切れなかった。

ドル/円は寄り付いた151.25-30円を日中高値にじり安推移。鈴木財務相、林官房長官による円安けん制発言などもあり、調整の動きに押される格好となった。一時150.25-30円と、ほぼ1円程度も値を下げている。しかし、その後は徐々に持ち直すと151円台を回復。ただ上値は少し重くなってきているようで全戻しには至らず。16時現在では150.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「日本の金融政策」について。
前者は、注目の米FOMCで予想通りの「金利据え置き」と発表されたほか、金利見通しについては「年内3回の利下げ」が示されるなど、それほど目新しい要因は観測されなかった。なお、マーケットの関心事項のひとつ具体的な利下げ時期については、市場で「6月」説が取り沙汰されているものの、こちらは言及が見送られている。結果からすれば、ほぼ想定通りの回答で、為替市場への影響も限られたが、後述する日経新聞報道などもあり、結果としてドル売り・円買いが進行する展開だった。

対して後者は、19日に日銀が会合の結果として、「マイナス金利解除を決定」を発表したものの、同時に「当面緩和的な金融環境が継続すると考えている」とした見解を示すなど、全体的なトーンはかなり弱めな内容。そのため、追加利下げに疑問を抱く向きもあったが、本日付け日経新聞は「日銀追加利上げ、7月または10月観測浮上」−−などと報じ、市場で物議を醸していた。昨日欧米時間の終盤以降ドル売りが進み、本日東京では一時150.25-30円まで下落した一助となっていたことは間違いない。しかし、本日の参議院財政金融委に出席した植田日銀総裁は「当面、緩和的な金融環境継続で経済・物価を支える」と述べるなど、従来のスタンスを崩さず。そのため、前述した日経報道は願望を含めた記事の可能性もある、などとかなり割り引いて考えられていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日151.81円まで上昇。2022年と2023年、2年連続でドル上値が抑制された151.90-00円を意識した展開となったが、結局届かず。そして本日東京時間には150円前半まで逆に弱含む局面も。ドルの上値トライが失敗したというには早計だが、本日東京では鈴木財務相林官房長官から円安けん制発言が聞かれたこともあり、ドル上値を積極的に買いにくくなっていることは間違いなさそうだ。しばらくは強保ち合いながらも、レンジを上抜けていくのは難しいかもしれない。
注目を集めていた日米がともに金融政策を発表した。詳細は上記のとおりだが、日米金利差が早い段階で大きく縮小することは予想しにくいと言わざるを得ないだろう。結果として、為替市場でドル/円は底堅い値動きがまた当面続く可能性もある。とは言え、この先も発表される指標や要人発言などに一喜一憂することにはなりそうだ。本日も3月の米製造業PMI速報値などが発表される予定だけに、数字如何ではやや荒っぽい変動も考えられる。

テクニカルに見た場合、ドル/円のリスクは間違いなくドル高方向にバイアスが掛かるも、勢いよく高値を更新するような環境でもない。むしろ2022年と2023年、2年連続でドル上値が抑制された151円後半を、今回も超えられなかったことが気に掛かる。今後ある種のシーリングとして市場筋に強く認識されかねないだろう。基本的には次の材料をにらみつつ、おおむね150-152円程度のレンジ取引をたどると予想する。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や3月の製造業PMI速報値などが発表される予定となっている。また、日米に続き英国やスイスなどの中銀が政策金利の発表を行うだけに、そちらについても一応注意しておきたい。欧州通貨主導の展開もあり得るか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.20-151.50円。ドル高・円安方向は抵抗になりつつある151円半ばをめぐる攻防にまずは注目。抜けると昨日高値や151.90-00円が再びターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる150.25-30円が最初のサポートか。下回ると150円割れを否定できないが、それでも基本的には底堅そう。


注:ポイント要約は編集部

ドル底堅く推移も152円手前では上げ渋りか

ドル円日足

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