ドル円150円台半ば、FOMC後の高値圏でのもみ合い一巡後に急反落
21日午前の東京市場でドル円は急落。朝方151.27レベルで取引の始まったドル円は、午前中ほぼ一方向で下落。151.00、150.50等の節目を次々に下抜け、一時150.27の安値をつけた後、東京時間正午現在は150.46での取引です。
午前中、進行する円安について、鈴木財務大臣が「高い緊張感を持って動きを注視したい」等牽制的発言をしたこと、昨晩日経新聞が「日銀の年内追加利上げ観測広がる」と報じたこと等もドル円の重石となりました。
日経平均株価は、昨晩、ハト派なFOMCを受けて米主要株価指数が上昇した流れを受けて買いが先行。ドル円が円の安値圏で推移していることもあり、ほぼ全業種が買われ、一時前営業日比700円超上げて取引時間中の最高値を更新、666円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、日銀の緩和継続姿勢確認からの円売りが続き、ドル円は米国序盤に151.82まで上値を拡大し、年初来高値を更新しました。
注目されたFOMCでは、FRBは政策金利を予想通り据え置き。声明文の内容も実質的な変更はありませんでした。最も注目された3か月ごとのFRB関係者の経済見通しでは、今年の利下げ回数を前回と変わらず3回と予想する一方で、2024-26年の実質GDP見通しを引き上げ、特に24年に関しては+1.4%を+2.1%に大幅に上方修正、コアPCEも24年分を+2.4から+2.6に引き上げる等強めとなった部分もあり、全体としてはまだら模様。発表直後に151.60付近から151.26まで急落したドル円は一旦反発して151.71まで値を戻す動きとなりました。
しかし、続くパウエル議長の記者会見では、年内利下げ開始やFRBのバランスシート圧縮ペースを近々緩めることを示唆、高めに出た1月、2月の消費者物価指数を「季節要因も考えられる」と説明する等全般的にハト派トーンが目立つ内容となり、会見中にドル円は150.73まで下落しました。この間、米長期金利も10年債利回りで、4.27%台で推移していたものが4.22%に急落の後4.32%に急伸するなど乱高下しましたが結局4.27%と元の水準に戻る動きとなりました。ドル円も終盤はやや買い戻され151.26レベルで取引を終えています。
テクニカルにはドル円は、主要テクニカルポイントを上抜け、強いドル買い地合いとなっています。
一方で昨年、一昨年の高値151.95、151.91を上抜けることなく失速しており、本日はやや下値を伺う動きとなっています。
日銀が「異次元の金融緩和策」を一気に解消、FOMCのドットチャートは一部の予想を裏切り利下げ3回を維持。さらにパウエルFRB議長が意外感のあるほどのハト派姿勢を示すなど、本来はドル売り、円買いに傾いてよさそうな材料が出た割には、今朝方にかけ大きく円高が進行しなかったのは、潜在的に強いドル先高観が市場にあったため、ドル買い材料に反応しやすい地合いとなっていたためと思われます。
ただ、さすがに日米両国がそれぞれ、金融政策転換の方向性を明らかにし、日米の金利差縮小が見えている以上、このままドル買いが続くことは考えにくい状況です。
テクニカルの下方向は、一昨日に上抜けた21日移動平均線が本日149.50近辺で推移。3/12以降の短期サポートラインも本日同水準にあり、比較的強いサポートとして機能しそうです。ただ、このまま下値を試す動きが続き、149円台前半に軟化するようであれば、ドル売りへの方向転換もありうべく、午後以降の動向に注目です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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