ドル円 日銀利上げ後に円安進行、150円台を示現
〇本日のドル、約2週間ぶりに150円台回復しさらに150円半ばへ上昇、そのまま高値引け
〇日銀が会合結果としてマイナス金利解除を決定を発表、すでに市場ではおおむね織り込み済の結果
〇本日東京時間に移動平均の21日線(149.40レベル)を超え、ドルの続伸も期待される状況
〇市場の関心はすでに明日の米FOMCの結果発表へと移行、利下げ開始時期への関心が高い
〇欧米時間ドル円予想レンジは149.50-150.60、ドル高円安方向は150円半ばをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値で超えてきた150円が最初のサポートか
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが一段高。6日以来となる150円台を回復し、そのまま高値引けだった。
ドル/円は149.15円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。日銀会合待ちの様相を呈するなか、昼過ぎにその日銀が会合の結果として「マイナス金利解除を決定」と発表した。前後して乱高下、やや荒っぽい変動をたどるも、利上げそのものはほぼ織り込み済みだったこともあり、最終的にはドル買い・円売りが優勢に。およそ2週間ぶりの150円台を回復しただけでなく、さらに値を伸ばし一時は150円半ばへ。16時現在、ドルはそのまま高値圏150.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「豪金融政策」について。
前者は、本日付の日経新聞朝刊が「日銀、19日に大規模緩和の解除決定へ」と報じるなど、事前に各種メディアから「3月マイナス金利解除」観測報道が相次ぎ、金融政策の修正は既定路線。そうしたなか、前述したように日銀が会合結果として、「マイナス金利解除を決定」と発表している。しかし、予想通りの結果ですでに市場ではおおむね織り込まれていたうえ、日銀は「当面緩和的な金融環境が継続すると考えている」とした見解を示すなど、トーンはかなり弱めだったことも嫌気された。実際、一部の参加者からは「追加利上げは難しそう」−−などといった声も聞かれており、利上げ実施にもかかわらず逆にドル高・円安へと振れたようだ。
対して後者は、日銀の影に隠れる格好で豪中銀も、東京時間昼過ぎに「政策金利を4.35%に据え置く」とした金融政策会合の結果を発表している。これそのものは予想通り。ただ、追加利上げの可能性には言及しておらず、こちらは若干タカ派寄りだった従来のスタンスを修正した格好で予想より弱めか。とは言え、円が全般的に弱含んだことで、乱高下の末に豪ドルも対円では小高く推移していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は本日東京時間に2週間ぶりの150円台を示現し、本稿執筆時でもそのまま高値圏で推移。これを受け、テクニカルにはドル高を阻んできた移動平均の21日線(149.40円レベル)を超えたうえ、以前もレポートしている高値150.88円を起点とした下げ幅のフィボナッチで見た76.4%戻し(149.85円)も同時に上抜けてきた。ドルの続伸も期待される状況だ。次のターゲットは、前述した高値150.88円だが、レベル的には当局による円安けん制発言などにも一応要注意。
注目を集めている日米金融政策のうち、日銀が本日東京時間に結果を発表。17年ぶりの利上げとなるが、為替市場の反応はと言うと昨日懸念した「噂で買って事実で売る」−−という相場格言ではないが、日銀利上げで円売りが加速する展開だった。ただ、いずれにしても市場の関心はすでに次に。明日のNY時間に予定されている米FOMCの結果発表へと移行している。ちなみに市場の関心は大きく2つあるが、そのうちのひとつ「利下げ開始時期は6月」との見方を裏付けるような内容となるのか否かにまずは注目だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は6日以来となる150円台を回復したほか、幾つかのテクニカルポイントも上抜けており、ドルの続伸が期待される足形。次なるドルのターゲットは150.88円となる。
しかし、市場の関心が早くも米金融政策へと移行していることで、ドルの上昇一波は取り敢えず終了か。前述した150.88円トライの動きは、明日の米FOMCの結果発表後になるだろう。
本日は米経済指標として、2月の住宅着工件数や1月の対米証券投資などが発表される予定となっている。しかし、明日のNY時間に米FOMCの結果発表が予定されていることで、基本はそれにらみか。レンジを抜けていくほどの展開にはならないと考えている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.50-150.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値である150円半ばをめぐる攻防に注目。抜けると150.88円が名実ともに視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値で超えてきた150円が心理的な意味も込めて最初のサポートか。下回ると移動平均の21日線が位置する149.40円レベルを目指す展開も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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