ドル円149円台、日銀政策転換後に乱高下
19日午前の東京市場でドル円は堅調推移。朝方、149.15レベルで取引の始まったドル円は、日銀政策発表を前に149円台前半での神経質な動きとなりました。一時は昨日高値を上回る149.39まで上昇する場面もありましたが、基本的には小幅なもみ合い継続で午前の取引を終えています。
その後NHKが正午のニュースで事前に「植田総裁がマイナス金利解除などの議案を提案し、議論の取りまとめに入った」と報じ、149.30割れまで小幅にドルが売られる場面もありました。
12時半過ぎに金融政策が公表され、マイナス金利の解除、イールドカーブコントロールの廃止、ETF・REITの買い入れ中止等が発表される一方で、これまでとほぼ同額の国債買い入れが継続されることが伝わるとドル円は149円台を乱高下。短時間に149.03-92レンジを上下して13時現在は149.69での取引です。
日経平均株価は、昨日1,000円を超える上昇となった反動から、序盤より売りが先行、下げ幅は一時300円を超えました。ただ、利益確定売りが優勢となる中で、昨晩米主要株価指数が揃って上げていることから、金融、不動産、エネルギー関連など業種によっては買い戻しも入り、下げ幅を縮小。144円安で午前の取引を終了しています。また、政策発表後は更に下げ幅を縮小する動きです。
昨晩海外市場では、日米の金融政策決定会合を控え様子見気分の強まる中、米長期金利の上昇等受け、ドル円は底堅く、149円台前半での小動きに終始しました。
テクニカルにはドル円は、昨日までの5営業日連続の上昇と、日銀政策発表後の更なるドル買いに21日移動平均線を上抜け、ドル買い地合いが強まっています。
日銀は、本日の政策公表で『2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断。マイナス金利政策やイールドカーブ・コントロールなどの大規模な金融緩和は、その役割を果たしたと考えている。』と明言。明確な政策転換を表明しました。
一方で今後の金融政策に対する声明文のコメントは、「短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する。現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。」とやや素っ気ない印象です。
最終的にドル円の方向性が定まるのは、15:30からの記者会見で、若干丁寧さを欠く印象の緩和政策の継続について、植田総裁がどのように説明するかを確認してからとなります。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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