依然レンジ内だが、ドル高傾向再燃期待も
〇本日のドル円、148.30-35で寄り付き148.65レベルを示現したが、その後148.25前後まで小緩む展開
〇短期的には東京高値148.65レベルの攻防に注目、超えると149.20を目指す展開か
〇日米金融政策をめぐり思惑が二転三転する状況、発表される米経済指標に一喜一憂する展開続くか
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.80-148.80、ドル高・円安方向は148.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、148円レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場は一時ドル高が進行するも続かず。前日記録した戻り高値を上抜ける局面も観測されたが続かず、押し戻されている。
ドル/円は、148.30-35円で寄り付いたのちドルはじり高に推移。148.65円レベルを示現したが、売りに押されると再び日中安値圏である148.25円前後まで小緩む展開となった。16時現在では寄り付きと同水準で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、暗号資産(仮想通貨)ビットコインがかなり激しい上下動。未明の67800ドル台を安値に72400ドル前後まで5000ドル近くも一時値を上げたが、そののち急反落へ転じると67100ドルまで「行って来い」だった。
一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者のうち米国は、発表された米経済指標がまちまちな内容。2月の小売売上高は予想を下回ったものの、同生産者物価指数は逆に予想を上回るとドル高の支援要因となっていた。市場では、「米利下げ観測がさらに遠のいた」といった声も聞かれたうえ、ブルームバーグでは「利下げ3回予想に疑念も」などと報じていたようだ。一方、日本は春闘における賃上げムーブを受け、再度日銀の金融修正にバイアスを掛けた報道などが目に付く。たとえば鈴木財務相から「日本経済はデフレの状況にはないという認識」との発言が聞かれたほか、時事通信では「3月18-19日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する方向で調整に入った」と改めて伝えていた。
対して後者は、ロシア大統領府のペスコフ報道官が、プーチン大統領の核兵器に関する発言は核兵器使用の脅しには当たらないとし、正当化したうえで「米国が意図的に文脈を無視した」として非難している。そうしたなか、EU外相に当たるボレル外交安全保障上級代表から、「ウクライナ戦争の結末は今春から夏にかけて決まる」などと危機感を示す発言が聞かれたが、反面でNATO事務総長から、加盟各国に対し「ウクライナ支援の政治的決断」を呼びかける発言も聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はまだ微妙なところだが、先週末と今週末で2度示現した146円半ばが目先のボトムとなった感があり、ドルは徐々に復調する傾向にある。前述したように本日東京では148.65円レベルまで一時値を上げている。こうした状況を、高値150.88円を起点とした下げ幅のフィボナッチで考えると、下げ幅のちょうど半値戻し(148.65-70円)で上げ止まった格好だ。つまり短期的には東京高値の攻防に注目で、超えると61.8%戻しの149.20円を目指す展開か。
たびたびレポートしているように、注目を集める日米金融政策をめぐり、思惑が二転三転する目まぐるしい状況が続いている。日銀については、足もと「3月会合で、マイナス金利政策解除を調整」といった見方が再び有力視されつつある反面、米国は「早期の利下げが遠のいた」などとする見方が優勢か。とは言え、後者はとくに発表される米経済指標の内容如何で、市場のセンチメントが容易に変化するだけに油断は禁物。本日欧米時間も発表される米経済指標に一喜一憂する展開が続きそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は当初想定していたレンジ上限148円半ばを、本日東京で一時上抜けるなど、再びドル高方向へのリスクをうかがわせる足形。しかし、本稿執筆時148円前半で推移と、元のレンジに押し戻されており、しっかり抜けたわけではない。また、先で指摘したように短期のフィボナッチではちょうど良いテクニカルレベルで、上値を抑制されていることも気掛かりだ。ドル強気に傾斜するか否か、いま少し情勢を見極めたい。
本日は米経済指標として、2月の鉱工業生産や3月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。来週の米FOMCをにらみつつ、米指標内容にも引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.80-148.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値である148.65円レベルが最初の抵抗。しっかり抜けると上値は重そうだが、それでも149円台回復も。
対するドル安・円高方向は、本日東京で割り込めなかった148円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると147円半ばが視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.03.15
東京市場のドルは148円台半ばで買い一服、中銀イベント前で様子見か(24/3/15)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、連合の2024年春闘第一回回答集計結果の公表を前に一段のドル買いは手控えられた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.03.15
ドル円148円台半ば、強めの米PPI後のドル買い戻し継続 (3/15午前)
15日午前の東京市場でドル円は148円台を堅調推移。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。