ドル円 依然レンジ内だが、ドル高傾向再燃期待も(3/15夕)

東京市場は一時ドル高が進行するも続かず。前日記録した戻り高値を上抜ける局面も観測されたが続かず、押し戻されている。

ドル円 依然レンジ内だが、ドル高傾向再燃期待も(3/15夕)

依然レンジ内だが、ドル高傾向再燃期待も

〇本日のドル円、148.30-35で寄り付き148.65レベルを示現したが、その後148.25前後まで小緩む展開
〇短期的には東京高値148.65レベルの攻防に注目、超えると149.20を目指す展開か
〇日米金融政策をめぐり思惑が二転三転する状況、発表される米経済指標に一喜一憂する展開続くか
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.80-148.80、ドル高・円安方向は148.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、148円レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場は一時ドル高が進行するも続かず。前日記録した戻り高値を上抜ける局面も観測されたが続かず、押し戻されている。

ドル/円は、148.30-35円で寄り付いたのちドルはじり高に推移。148.65円レベルを示現したが、売りに押されると再び日中安値圏である148.25円前後まで小緩む展開となった。16時現在では寄り付きと同水準で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、暗号資産(仮想通貨)ビットコインがかなり激しい上下動。未明の67800ドル台を安値に72400ドル前後まで5000ドル近くも一時値を上げたが、そののち急反落へ転じると67100ドルまで「行って来い」だった。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者のうち米国は、発表された米経済指標がまちまちな内容。2月の小売売上高は予想を下回ったものの、同生産者物価指数は逆に予想を上回るとドル高の支援要因となっていた。市場では、「米利下げ観測がさらに遠のいた」といった声も聞かれたうえ、ブルームバーグでは「利下げ3回予想に疑念も」などと報じていたようだ。一方、日本は春闘における賃上げムーブを受け、再度日銀の金融修正にバイアスを掛けた報道などが目に付く。たとえば鈴木財務相から「日本経済はデフレの状況にはないという認識」との発言が聞かれたほか、時事通信では「3月18-19日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する方向で調整に入った」と改めて伝えていた。

対して後者は、ロシア大統領府のペスコフ報道官が、プーチン大統領の核兵器に関する発言は核兵器使用の脅しには当たらないとし、正当化したうえで「米国が意図的に文脈を無視した」として非難している。そうしたなか、EU外相に当たるボレル外交安全保障上級代表から、「ウクライナ戦争の結末は今春から夏にかけて決まる」などと危機感を示す発言が聞かれたが、反面でNATO事務総長から、加盟各国に対し「ウクライナ支援の政治的決断」を呼びかける発言も聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場はまだ微妙なところだが、先週末と今週末で2度示現した146円半ばが目先のボトムとなった感があり、ドルは徐々に復調する傾向にある。前述したように本日東京では148.65円レベルまで一時値を上げている。こうした状況を、高値150.88円を起点とした下げ幅のフィボナッチで考えると、下げ幅のちょうど半値戻し(148.65-70円)で上げ止まった格好だ。つまり短期的には東京高値の攻防に注目で、超えると61.8%戻しの149.20円を目指す展開か。
たびたびレポートしているように、注目を集める日米金融政策をめぐり、思惑が二転三転する目まぐるしい状況が続いている。日銀については、足もと「3月会合で、マイナス金利政策解除を調整」といった見方が再び有力視されつつある反面、米国は「早期の利下げが遠のいた」などとする見方が優勢か。とは言え、後者はとくに発表される米経済指標の内容如何で、市場のセンチメントが容易に変化するだけに油断は禁物。本日欧米時間も発表される米経済指標に一喜一憂する展開が続きそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は当初想定していたレンジ上限148円半ばを、本日東京で一時上抜けるなど、再びドル高方向へのリスクをうかがわせる足形。しかし、本稿執筆時148円前半で推移と、元のレンジに押し戻されており、しっかり抜けたわけではない。また、先で指摘したように短期のフィボナッチではちょうど良いテクニカルレベルで、上値を抑制されていることも気掛かりだ。ドル強気に傾斜するか否か、いま少し情勢を見極めたい。

本日は米経済指標として、2月の鉱工業生産や3月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。来週の米FOMCをにらみつつ、米指標内容にも引き続き要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.80-148.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値である148.65円レベルが最初の抵抗。しっかり抜けると上値は重そうだが、それでも149円台回復も。
対するドル安・円高方向は、本日東京で割り込めなかった148円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると147円半ばが視界内に。

依然レンジ内だが、ドル高傾向再燃期待も

ドル円日足


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