パウエル議会証言を注視、レンジ放れ期待も
〇ドル円、NY時間のパウエルFRB議長の議会証言待ち、149.80-150.10の30ポイントほどの変動
〇21日MAを下回るなど、ドルの下値リスクが強まりつつあるか
〇本日、パウエル議長議会証言のほか、2月ADP雇用統計、米地区連銀経済報告等を注視
〇昨日発表の米指標が不冴えのなか、弱気コメントが発せられるとさらなるドル安が進行するといった声も
〇ドル高円安方向、21日線もある150円前後の攻防、超えれば150円半ばや年初来高値150.88ターゲット
〇ドル安円高方向、昨日安値149.70が最初のサポート、下回ると149.21目指す展開か
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.10-150.30
<< 東京市場の動き >>
東京市場は揉み合い。150円挟みの上下動で、引き続き方向性は乏しかった。
ドル/円は150.00-05円で寄り付いたものの、上値は重く上げ渋り。しかし下値も堅く、大崩れするには至らなかった。NY時間に予定されているパウエルFRB議長の議会証言待ちで、149.80-150.10円といった30ポイントほどの変動に。16時現在では149.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米ファンダメンタルズ」と「中国情勢」について。
前者は、昨日のNY時間に発表された米経済指標がこぞって予想よりも悪化。たとえば1月のISM非製造業総合指数、同耐久財受注などが悪化し、為替市場においてもドル売り要因となっていた。しかし、週末に注目の2月米雇用統計の発表を控えているほか、6-7日には前述したパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、それらを見極めたいとの雰囲気も。ドルは対円などで売られたが、大きく崩れる展開とはならなかった。
対して後者は、フィリピン補給船団の巡視船に対し、中国海警局などの船団が危険な妨害を行い、護衛の巡視船2隻のうち1隻が中国船との衝突で損傷したと表明したことに続き、放水砲を向けられ少なくとも4人が軽傷を負ったとの別途発表も。ここ最近、南シナ海において双方の小競り合いが常態化している。それに対し、米国務省からは「中国がフィリピン人の安全と国際法を無視していることを示すものだ」とする批判コメントが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然としてレンジ内。ただ、昨日NY時間には149.70円まで軟化する局面も観測されていた。NYクローズでは回復したものの、一時的に移動平均の21日線を下回るなど、少しずつだがドルの下値リスクが強まりつつあるところが気に掛かる。150円前後までレベルを上げてきた21日線をしっかり下回ると、次のサポートは2月29安値の149.21円。それも下回ると2月12日以来の148円台突入もありそうだ。
引き続き日米金融政策について思惑が交錯するなか、短期的には重要な経済指標の発表などが多い米国情勢がとくに注視されている。なかでも本日は、米下院金融委員会でパウエルFRB議長の議会証言も行われる予定で、こちらを注視している向きも少なくない。前述したように、昨日発表された米指標がこぞって悪化の様相を示したこともあり、少しでも弱気コメントなどが発せられるようだと、さらなるドル安が進行するといった声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は150円台を中心としたレンジ取引がいまだ継続中。しかし、レンジ放れの萌芽がうかがえるだけに、昨日も報じたようにそろそろしっかりとした準備をしておいて損はないだろう。ここ数日、ドルの高値そして安値が連日少しずつ切り下がっていることにも要注意か。上方向のリスクももちろん残存するものの、底割れリスクの方が若干高いかもしれない。
本日は米経済指標として、2月ADP雇用統計などが発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も実施される予定だ。さらに、米下院金融委員会でパウエルFRB議長の議会証言も行われる予定で、こちらを注視している向きも多い。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.10-150.30円。
ドル高・円安方向は21日線も位置する150円前後の攻防にまずは注目。超えれば150円半ば、そして年初来高値150.88円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値149.70円が最初のサポートで、下回ると149.21円を目指す展開か。大崩れは予想しにくいものの、149円割れワンタッチ程度まではあっても不思議ではないだろう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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