東京市場のドルは149円台で推移、イベント満載だが「もしトラ」意識でドル軟調か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、様子見姿勢が強まり150円前後での狭いレンジ内での推移に留まった。
昨晩の海外時間では、米2月ISM非製造業景況指数や1月製造業受注、1月耐久財受注改定値が市場予想をそろって下回ったことで、年内の利下げ観測を受けた長期金利の低下に伴いドル売りに拍車がかかった。
また、2月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の結果を受け、日本の金融政策正常化も近いとの見方が強まったことで円買いが優勢となったもよう。
東京時間では、150円を割り込んでの推移が続いたが、2月29日につけた足元の下値149円21銭よりだいぶ手前でドル売りは一服。今晩以降の米経済指標やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言などを見極めたいとするムードが強まり、積極的な売買は手控えられた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円02銭
高値:150円09銭
安値:149円81銭
終値:149円91銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円88銭
高値:162円89銭
安値:162円62銭
終値:162円74銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円56銭
高値:97円39銭
安値:97円72銭
終値:97円70銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円62銭
高値:190円63銭
安値:190円31銭
終値:190円45銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39792円37銭
高値:40147円77銭
安値:39769円04銭
終値:40090円78銭(前日比−6円85銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時30分、英、2月建設業PMI、前回:48.8、市場予想:48.9
19時00分、欧、1月小売売上高(前月比)、前回:−1.1%、市場予想:−0.2%
19時00分、欧、1月小売売上高(前年比)、前回:−0.8%、市場予想:−1.2%
22時15分、米、2月ADP雇用者数、前回:10.7万人、市場予想:15.5万人
23時45分、カ、カナダ中銀政策金利、前回:5.00%、市場予想:5.00%
24時00分、米、パウエルFRB議長が下院金融委員会にて議会証言
24時00分、米、1月JOLTS求人件数、前回:902.6万人、市場予想:888.5万人
24時30分、週次原油在庫統計、前回:419.9万バレル
26時00分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が会議に出席
28時00分、米、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
30時15分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がWSJ主催のイベントに出席
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているが、下値支持線として意識されていた転換線と20日移動平均線水準での攻防を迎えている。徐々に上値を切り下げていることもあり下へのバイアスが強まりそうな雰囲気はある。下を意識した場合のメドとして、基準線が位置する148円40銭水準がターゲットとなろう。
かれこれ3週間ほど、上は2月13日の150円90銭、下は同29日の149円21銭という非常に狭いレンジ推移が継続している。昨晩の経済指標が市場予想を総じて下回ったことからドル売りとなったが、ここでも下限レンジを割る動きは見られなかった。ただ、今晩は雇用関連の経済指標が二つ控えていることから、今日こそドルは動くと考える。そして、スーパーチューズデーの状況を受けて、ドルはレンジ下限を試す展開を予想している。
パウエルFRB議長の議会証言は、「年内3回程度の利下げを織り込むが、利下げ開始時期は明言しない」という従来の方向性は変わらないだろう。ただ、パウエルFRB議長としては、「もしトラ」の現実味が増すなか、11月の米大統領選挙より前に明確な方向性を固めて、実践しておきたい、と思っているかもしれない。こうした話はさすがに議会証言では出ないだろうが、「もしトラ」に伴う「ドル安、米株安、米債券安」のトリプル安の話は既に市場で話題となっていることから、心中穏やかではないだろう。
今晩の海外時間は、雇用関連で強い数字が出たとしても、スーパーチューズデーでのトランプ前大統領の強さが意識されて、ドルの軟調推移を考える。上メドは150円20銭、下値メドは149円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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