ドル円150円割れ、日銀高田審議委員発言に本邦利上げ警戒感強まる
29日午前の東京市場でドル円は149円台に急落。朝方、150.69レベルで取引の始まったドル円は、序盤は150円台半ばでのもみ合いとなりました。早朝には神田財務官のG20での円安や過度の相場変動をけん制する発言が伝わりましたが、直後の反応は限られました。
しかし、10時台に日銀の高田審議委員が「物価目標の実現が漸く見通せる状況となってきた」等と発言すると、ドル円は150円台前半で下げ足を速め150円割れを示現。一時149.76の安値をつけた後、東京時間正午現在は149.81での取引です。
日経平均株価は、昨晩欧米市場で主要株価指数が軟調推移したことを受け売りが先行、節目の3万9千円を割り込んで取引が始まりました。その後は買い戻しも入りましたが、円安一服や、日銀高田審議委員の発言からの円金利上昇への思惑等に3万9千円を挟んでの一進一退の動きとなり、254円安の38,953.49で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、発表された米4QコアPCE改定値(結果+2.1%、予想+2.0%)の速報値を上回る結果等が支援材料となり、ドル円は米国時間に一時150.85まで上昇しました。しかしながら米GDP改定値自体は前期比3.2%増と速報の3.3%から下方修正されたこともあり、年初来高値150.88を前に反落、150.70で取引を終えています。
テクニカルにはドル円は、1月からの上昇チャネル下限が本日150.50付近に上昇、転換線も150.27に位置しており、午前中は両線を下回る動きとなっています。
本日は、今週最も注目される米1月のコアPCEデフレーターの発表が海外時間に予定されており、波乱含みです。テクニカルにも中期上昇チャネル下限を割り込むか、あるいは実体ベースで反発し、上昇チャネルに復帰するか極めてクリティカルな局面を迎えていると言え、今晩の上記コアPCEをはじめとする米指標の結果と、終値ベースでのチャネル下限、転換線、21日移動平均線(本日149.63付近を上昇中)等との位置関係は要注目です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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