東京市場のドルは21日以来の149円台まで下落、PCE発表で上下に振れやすく(24/2/29)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、高田創日銀審議委員の講演会での発言がやや「タカ派」だったことから、早期の金融政策正常化が意識されてドルは売られた。

東京市場のドルは21日以来の149円台まで下落、PCE発表で上下に振れやすく(24/2/29)

東京市場のドルは21日以来の149円台まで下落、PCE発表で上下に振れやすく

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、高田創日銀審議委員の講演会での発言がやや「タカ派」だったことから、早期の金融政策正常化が意識されてドルは売られた。

昨晩の海外時間では、米10-12月期国内総生産(GDP)改定値が予想外に下方修正されたため、成長減速の思惑に長期金利低下に伴いドル売りが優勢となった。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げに慎重な姿勢を再表明したほか、1月コアPCE価格指数の発表を控えていることなどからドル買戻しが強まった。

東京時間では、高田日銀審議員が午前中の滋賀県での金融経済懇談会にて「『物価安定の目標』の実現がようやく見通せるようになってきた」と発言。「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール(YCC))の枠組みの解除、マイナス金利の解除、オーバーシュート型コミットメントの在り方など、出口への対応も含め機動的かつ柔軟な対応に向けた検討も必要」との認識を示した。

市場では想定よりも、金融政策正常化に前向きなタカ派寄りの内容だったと受け止められ、新発10年物国債の利回りは前日比0.02%高い0.715%まで上昇。ドルは21日以来となる149円台をつけた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円66銭
高値:150円66銭
安値:149円70銭
終値:149円90銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円28銭
高値:163円31銭
安値:162円18銭
終値:162円43銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円87銭
高値:97円87銭
安値:97円50銭
終値:97円69銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円73銭
高値:190円76銭
安値:189円61銭
終値:189円88銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38935円53銭
高値:39250円12銭
安値:38876円81銭
終値:39166円19銭(前日比−41円84銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時55分、欧、2月独雇用統計(失業率)、前回:5.8%、市場予想:5.8%
22時00分、欧、2月独消費者物価指数(速報)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.4%
22時00分、欧、2月独消費者物価指数(速報)(前年比)、前回:2.9%、市場予想:2.6%
22時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:186.2万件、市場予想:187.2万件
22時30分、米、1月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.4%
22時30分、米、1月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.6%、市場予想:2.4%
22時30分、米、1月PCEデフレータ(コア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.5%
22時30分、米、1月PCEデフレータ(コア)(前年比)、前回:2.9%、市場予想:2.8%
23時45分、米、2月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)、前回:46.0、市場予想:47.8

24時00分、米、1月中古住宅販売成約指数(前月比)、前回:8.3%、市場予想:1.0%
24時50分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
25時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
27時15分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が会議出席
29時30分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁がYahooファイナンスに登場

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、日足の一目均衡表を上放れているが、151円手前では上値が重くなった結果、足元では転換線を下抜け、20日移動平均線が位置する149円70銭台で下げ止まっている。

今晩の重要な経済指標である米1月個人消費支出PCE価格指数(PCEデフレータ)発表までは様子見という想定だったが、高田日銀審議委員の思わぬ「タカ派より」な発言を受けて、市場は動揺した様子だ。

もっとも高田日銀審議委員は、「マイナス金利解除後について、どんどん利上げをするということではない」という内田副総裁や植田総裁の発言と同様のコメントも残したことで、ドル売りは一服した様子だ。

ただ、PCE発表前にややドルが売られたことから、今後の展開は想定しにくいものとなった。2月は、雇用統計、消費者物価指数、がともに市場予想を上振れたことからドルは150円台に乗せた。今回のPCEの前月比は前回を上回る強い数字が見込まれており、市場の見方はブルと言えよう。

やや下に動きやすい地合いのなか、市場予想を上回った際は買戻しで150円台回復というシナリオだが、下回った際は、149円台前半も視野に入りそうだ。今晩の上値メドは150円40銭、下値メドは149円00銭とする。

東京市場のドルは21日以来の149円台まで下落、PCE発表で上下に振れやすく

ドル円日足

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