ドル/円はいま少しレンジ取引を継続か
〇ドル円、150円半ば挟み、30ポイントほどで一進一退のレンジ取引
〇NZドル、中銀が政策金利据え置き。先行き見通しが予想より弱く、対円は短時間で1円ほど下げる局面も
〇本日、10-12月期GDP統計改定値等の米経済指標や、複数の地区連銀総裁の発言が予定されている
〇月末の需給要因警戒する声もあり、150円台中心のレンジを上下どちらに放れていくのか方向性注視
〇ドル高円安方向、2/26高値の150.83や2/13高値150.88などが目先の抵抗。抜ければ151円台乗せも
〇ドル安円高方向、150円が強いサポート。仮に割り込んだら149円半ば近くの21日MAがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:150.20-151.10
<< 東京市場の動き >>
東京市場は依然としてレンジ取引が続く。前日同様150円半ば挟み、30ポイントほどで一進一退だった。
ドル/円は150円半ばで寄り付いたものの、引き続き値動きは限られた。日経平均株価などの動きを注視しつつ、寄り付きを挟んで上下15銭、150.35-65円といったレンジ相場に終始。16時現在では150.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。
しかし、NZドルは対円などで大幅安。同国中銀が政策金利の発表を行い、それそのものは「据え置き」で予想通りながら、先行き見通しが見込みより弱かったとの指摘が多く、嫌気されていたようだ。NZドル/円は92円後半から91円後半と1円ほど、短時間で値を下げる局面も。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、フランスのマクロン大統領が、ウクライナに欧州諸国の地上部隊を派遣することを「将来的に排除しない」などと述べたことが、そこここで話題となっていた。米英独やNATOなどはマクロン発言を否定し、ウクライナへの派兵に消極的な見解を示したが、ウクライナは歓迎の意向を示した反面、ロシアのペスコフ報道官からは「NATOとロシアの衝突は避けられなくなる」とした警告が発せられていたようだ。また、ロシアはG7首脳が週末に発した「ウクライナからの完全撤退」に言及した声明にも噛み付き、「不当な要求だ」などと反発の姿勢をみせている。
対して後者は、バイデン氏が「3月4日までのガザ停戦入り望む」としたうえで、交渉進展を示唆したことが一時思惑を呼ぶ。しかし、ハマス側は「40日間のガザ停戦案を受け取った」ことを明らかにしたものの、進展という点では否定していた。ロイターによると、ハマスは「時期尚早。依然として大きな溝を埋める必要がある」と主張したという。バイデン氏が期待する「ラマダン期間(3月10日から4月9日ごろ)」の停戦は、いまだ不透明で続報が引き続き注視されている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週一週間を通してわずか1.08円レンジにとどまったドル/円は、今週に入って以降も小動き。まだ月曜日と火曜日の2日間が終わったに過ぎないが、それでも値幅は150.08-70円にとどまっている。そんな膠着相場がいま少し続く可能性を否定できないが、足もとの小動きは飽くまで時間的な調整で、次なる動意に向けたエネルギーの蓄積になる。つまり、方向性はともかくとして、一旦放れるようだと一気に値の飛ぶ展開もありそうで、いまからリスク管理だけはしておきたい。
市場は依然として日米金融政策に注目。日本については、本日東京時間にも清水日銀理事から「現時点では物価見通しが実現する十分な確度は持っていない」とする従来の見解を踏襲した発言が聞かれていた。
一方、米国は本日も発表される米経済指標と要人コメントに一喜一憂する展開が予想されるが、それとともに徐々に関心が高まってきているのが3月1日に一部政府機関が閉鎖される問題だ。昨27日はバイデン米大統領がホワイトハウスで議会指導部と会談したものの、さしたる進展がなかったとされるだけに、本日以降の動静もしっかりとした注意が必要だろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は1円強というレンジ取引が早くも1週間以上続いている。ドルの高値警戒感が取り沙汰される反面、ここ数日は本邦筋からこれといった円安けん制発言が聞かれておらず、「スピード的には到底急激な変動に当たらないことで容認されている」などといった解釈も聞かれていた。ともかく、引き続きまずは足もとの150円台を中心としたレンジをどちらに放れていくのか、その方向性が注視されている。13日高値150.88円をそろそろ超えても不思議はない気もするのだが果たして。
本日は米経済指標として、10-12月期GDP統計改定値などが発表される予定となっているほか、米地区連銀総裁による講演などの発言機会が数多く予定されている。また月末を迎えていることで、材料とは別の需給要因を警戒する声も別途聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.20-151.10円。ドル高・円安方向は26日高値150.83円、そして150.88円などが目先の抵抗。抜ければ151円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、依然として150円が強いサポートだが、逆に言えば同レベルまでは下落しても不思議はないかもしれない。仮に割り込んだら、149円半ば近くまで達してきた移動平均の21日線がターゲット。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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