ドル円150円台前半、時間外の米長期金利に沿う動き
16日午前の東京市場でドル円は150円近辺でのもみ合い。朝方、149.96レベルで取引の始まったドル円は、序盤に149.83まで軟化する場面がありましたが、その後は150円台を回復し、上昇傾向となった時間外の米長期金利の動きをなぞる形で上下。東京時間正午現在は、150.27での取引です。
本日午前、衆議院財政金融委員会に鈴木財務相、植田日銀総裁が出席。円安の進行について鈴木財務相は「円安にはプラスの面、マイナスの面がある」としながら「今はマイナスに懸念を持っている」と述べ、植田総裁には直接為替関連の質問はありませんでしたが、金融政策につき「物価目標が見えてきたらマイナス金利を維持するか検討する」「マイナス金利を解除しても緩和的な金融環境が当面続く可能性が高い」などと答弁しました。これらに対し為替市場はおおむね反応薄でした。
日経平均株価は、昨晩米市場で主要株価指数が続伸したことを好感して、買いが先行。引き続き半導体関連株が買われた他、円安進行も好感され、輸出関連株、エネルギー株等が上げを主導し、一時前日比700円超の全面高となりました。10時前後には38,865.06の高値をつけ、史上最高値(終値ベース)38,915.87や同(取引時間中)38,957.44に100円未満の水準に肉薄しましたが、その後は序盤の上げを主導した半導体関連株等が、利食い売りに圧されて上げ幅を縮小。347円高の38,505.89で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では注目された米1月小売売上高が予想を大きく下回る結果となり、コア部分もマイナスに転じ、後に発表された1月鉱工業生産も不冴えでした。一方で、NY連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀景況感指数、新規失業保険申請件数、住宅市場指数等は好調な結果となり、全体としてはまだら模様。最も注目された小売売上高が発表されたタイミングで、ドル円は149.57まで急落したものの、その後は下げ渋りとなった米長期金利の動きに沿う形で、150円を挟んでのもみ合いとなり、149.94で取引を終えています。
テクニカルにはドル円は、引き続き主要なサポートの上で推移しドル買い地合いが継続していますが、上昇に一服感も出ており、高値・介入警戒感からも上値がやや重くなってきています。市場は今晩の米生産者物価指数(PPI)の発表待ちですが、数日前に前月分が下方修正されており、数値が悪かった場合には大崩れはしないまでも、ある程度下値を試す展開が想定されます。
その場合にはサポートは、転換線のある149.26付近や、21日線と1月からの上昇チャネルの下限のある148円半ば付近となりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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