東京市場のドルは150円台の小動き、為替介入しにくくドル上昇は継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀が当面緩和策を維持するというムードがやや強まったことから150円台前半での推移となった。
昨晩の海外時間では、米1月小売売上高が予想以上に悪化したため米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まり、長期金利低下に伴うドル売りが加速。その後、金利が下げ止まったことに連れドル売りは一服。
その後は、日本の2023年10-12月期の実質国内生産(GDP)速報が2四半期連続のマイナス成長と予想外の景気後退入りの結果を受けて、日銀が当面緩和策を維持するとの見方が強まり、円売りも優勢となりドルは底堅く推移した。
東京時間では、株式市場で日経平均が史上最高値まであと数十円に迫る水準まで上昇するなど引き続き日本株の強さは目立ったが、為替市場は静かな推移となった。逆張りスタンスの日本の個人投資家のドル売りがやや重しとなっており、150円台前半でのもみ合いに。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円91銭
高値:150円37銭
安値:149円83銭
終値:150円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円49銭
高値:161円79銭
安値:161円44銭
終値:161円59銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円82銭
高値:97円97銭
安値:97円70銭
終値:97円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:188円89銭
高値:189円16銭
安値:188円82銭
終値:188円96銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38517円37銭
高値:38865円06銭
安値:38361円55銭
終値:38487円24銭(前日比+329円30銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時45分、欧、シュナーベルECB理事が講演
22時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
22時30分、米、1月PPI(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:0,2%
22時30分、米、1月PPI(前年比)、前回:1.0%、市場予想:0.6%
22時30分、米、1月PPI(コア)(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:0.1%
22時30分、米、1月PPI(コア)(前年比)、前回:1.8%、市場予想:1.7%
22時30分、米、1月住宅着工件数(前月比)、前回:−4.3%、市場予想:0.5%
23時10分、米、バーFRB副議長が講演
24時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)、前回:79.0、市場予想:80.0
26時10分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演
中国市場は春節大型連休入り(16日まで休場、19日から取引再開)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、雲上限を明確に上放れている。遅行スパンも雲を上抜けたほか、基準線が100日移動平均線を上抜くなどトレンドは非常に強い。昨年11月以来の151円台を射程に捉えた格好だが、この水準より上は、政府・日銀による為替介入警戒が一気に高まることから上値は重くなろう。トレンドは強いが、為替水準が強く意識されて上げ一服といったところだ。
市場からは、投機筋とみられるCTAの円売りポジションは2023年の秋の「円キャリー」のピーク時と比較すると6分の1ほどに留まっているとの声が聞かれる。昨年秋頃の日米10年物国債利回りの差は4.2%ほどあったが、足元、3.5%程度に縮小している。ただ、ドル・円のボラティリティが低下していることから、CTAが「円キャリー」を積み上げる条件はそれなりにある。個人投資家の逆張りを踏ませるような投機筋によるドル上昇が入る余力はあるということだ。
さほどCTAがドル買いポジションを膨らませていない状況下、政府・日銀が円買い・ドル売り介入を行っても、効果は半減する可能性がある。投機筋のポジションが積み上がっていないということは、ファンダメンタルズに沿った円安ドル高という考え方もできよう。
神田財務官が、14日、足元の相場動向を巡って「ファンダメンタルズに沿った部分と明らかな投機的な動きと両方ある」。そして、金融政策に関しては「日本銀行の出した判断を尊重する」とやや歯切れの悪い発言を残した背景はこうした理由かもしれない。
また、市場に影響を与える為替介入を行うと、結果として日本の株式市場に冷や水を浴びせることにもなる。つまり政府・日銀は為替介入を実施したくてもできない可能性がある。
こうした金融当局の考えを読むと、じりじりとしたドル買い円売りは継続か。今晩も経済指標、要人発言と海外時間は材料豊富だ。ドル強めの展開を想定し、今晩の上値メドは151円00銭、下値メドは150円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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