ドル高基調は継続、ただ米指標に一喜一憂か
〇本日のドル円、149.90-95で寄り付き150円を回復、その後は150円台をキープしての推移
〇日経平均は堅調裡な推移、史上最高値を視野に入れた値動き
〇昨日発表された1月小売売上高は大幅な悪化、楽観ムードに冷や水を浴びせる形に
〇ドルの上値は重そうだが、基本的に150円挟みといったレベルでのドル強保ち合いが続くか
〇欧米時間の予想レンジは149.60-150.80、ドル高・円安方向は東京高値の150.35-40が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、149.80レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場でドルは小高い。前日NYクローズで下回った150円を、再び回復しての推移となっている。
ドル/円は149.90-95円で寄り付いたのち、しばらく冴えない。150円前後で上げ渋る展開となったが、上抜けるとその後は150円台をキープしての推移となった。とは言え、本邦要人からの円安けん制発言もあり、ドルの上値も重い。16時現在では150.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、日経平均はザラ場ベースで一時38800円台と堅調裡。史上最高値を視野に入れた値動きをたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「円安けん制発言など」について。
前者は、今月に入って以降の米経済指標は1月雇用統計や同消費者物価など好数字が相次ぎ、ドル高の支援要因に。しかし、昨日発表された1月の小売売上高は大幅な悪化で、市場で台頭していた楽観ムードに冷や水を浴びせる格好となった。ただ、冬の悪天候が影響した可能性など、ある種の特殊要因も取り沙汰されていたほか、ブルームバーグが欧州金融大手ソシエテジェネラルの見解として「米経済が再び加速した場合は金融当局の次の動きが利上げになり得る」と報じるなど、強気サイドが根底から崩れたわけではなかったようだ。本日も引き続き発表される米経済指標などには要注意。
対して後者は、ドル/円相場が引き続き150円台を中心とした高値圏で推移していることもあり、本日東京時間には要人からの円安けん制発言なども聞かれていた。衆院財務金融委に出席した植田日銀総裁は、「マイナス金利を解除しても緩和的な金融環境が続く」と指摘したうえで、「短期的な為替変動原因などのコメントは控える」と明言を避けたが、鈴木財務相からは「為替市場の動向に強い緊張感を持って見ている」とした危機感のうかがえるコメントが発せられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、岩盤のようにかなりの底堅さを醸した150円を一時割り込むも結果として行って来い。本日東京時間に再び150円台へと回帰している。本邦要人からの円安けん制の動きなどもあり、ドルの上値は引き続き重そうだが、下方向も買い遅れ筋のビッドが厚くなり始めているという。油断は禁物だが、基本的には150円挟みといったレベルでのドル強保ち合いが続く見込みだ。
今月に入ってから発表された米経済指標がこぞって良好。そして米要人の強気発言も相次いでおり、早期利下げ期待が遠のいた感があったものの、昨日発表の米小売売上高が楽観ムードに冷や水を浴びせた。全体としてはまだ強気ムード、つまり「米利下げ先送り」期待が優勢だが、このあと発表される米指標の内容如何では「米早期利下げ」見通しに転換する可能性なども十分残っている。いずれにしても、米指標や発言に本日も一喜一憂する展開か。なお、それとは別に来週初、長い春節休暇がようやく明ける中国金融市場の動きを警戒する声が早くも聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は直近高値から1円強の下押しが入るも、引き続きドル高基調そのものに変化なし。上値トライが仕切り直しになっている感もまだみられない。したがって、もちろんドル上値は重いものの、調整らしい調整もなく151円あるいは152円に向けた動きをたどっても不思議はないだろう。
とは言え、昨日安値を下回り、148円半ばまでレベルを切り上げてきた移動平均の21日線を下回るようだと、その限りではない。
本日は米経済指標として、1月の生産者物価や2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。ただ、先でも取り上げたように、昨日発表された1月の小売売上高が予想外の悪化となり、相場の波乱要因となった。本日も予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.80円。ドル高・円安方向は東京高値の150.35-40円が最初の抵抗。抜ければ直近高値150.88円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期チャートでは149.80円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると昨日安値149.53円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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