米消費者物価に注目、150円トライの可能性も
〇本日のドル円、休場明けだが積極的な売買乏しく、149.25-60といった30ポイント強の一進一退
〇日経平均株価は堅調推移、終値ベースでも1000円以上の上昇
〇本日東京高値にあたる149.60レベルを超えれば、150円レベルが名実ともターゲットに
〇本日発表の米消費者物価指数が注視される、内容次第ではドル続伸で150円トライといった声も
〇欧米時間ドル円予想レンジは148.90-150.20、ドル高円安方向は149.60レベルが最初の抵抗
〇ドル安円高方向、149円レベルをめぐる攻防に引き続き注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。東京は休場明けとなったが、中国市場は引き続き休場ということもあってか、積極的な売買は依然乏しかった。
ドル/円は149.35円前後で寄り付いたものの、レンジ取引が続く。日経平均株価は早朝から堅調で、結局終値ベースでも1000円以上の上昇を記録したが、為替市場の反応はいまひとつだった。149.25-60円といった30ポイント強の一進一退をたどるなか、16時現在で円は149.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「株価動向など」と「トランプ発言」について。
前者は、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが2021年12月以来の5万ドルの大台を回復したとして話題に。また本日の東京時間も5万ドル挟みの強保ち合い推移。先月のビットコイン現物に連動する上場投資信託(ETF)の取引開始などが改めて好感されていたようだ。一方、前述したように日経平均株価も堅調推移し、結局終値ベースでも1000円以上の上昇を記録。円安進行を支えに輸出関連株が堅調に推移しているほか、リスク選好姿勢を強めた海外の機関投資家からの資金流入が続いているとの指摘も聞かれていた。
対して後者は、米国のトランプ前大統領が10日、「NATO加盟国をロシアによる侵攻から防衛しない可能性がある」と述べたことが欧州諸国を中心に引き続き物議を醸す。ドイツのリントナー財務相は「誰が次期米大統領に就任しても、米国と欧州の同盟国の関係は継続する」と述べたものの、こうした冷静な反応は少数派。オランダの国防相が「まさにロシアのプーチン大統領が聞きたい発言だろう」と不快感を示すなど、欧州のみならず米国内でも強い非難に晒され、批判の的になっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、ドルが底堅い値動き。昨日欧米時間に先週8日に149円台に乗せて以降、はじめて割り込む局面も観測されたが、下値は148.93円までと大崩れはせず。したがって、むしろドル高方向のリスクが再確認されたと言えるだろう。本日東京高値にもあたる149.60円レベルを超えれば、いよいよ150円レベルが名実ともにみえてくる。
先日来、パウエルFRB議長をはじめとする米通貨当局者から「早期利下げ」否定コメントが聞かれるものの、依然として発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する傾向は変わっていない。そうしたなか発表される、本日の米消費者物価指数を注視している向きも多いようだ。なお、上下どちらに振れても不思議はないが、消費者物価そのものは前年比プラス2.9%が見込まれており、予想通りとすれば約2年ぶりに3%を割り込むことになる。その場合にはドル売り優勢になる可能性があるとの見方も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日欧米時間に一時149円を割り込むも、基調そのものに変化なし。発表される米消費者物価の内容次第ではあるが、ドルは続伸し150円トライといった声が多いようだ。
逆にドル安方向に振れた場合には昨日安値148.93円をめぐる攻防にまずは注目。下回っても、148円前後へとレベルを切り上げてきた移動平均の21日線前後が強いサポートに。
本日は米経済指標として、1月の消費者物価指数などが発表される予定で、その内容如何では波乱もあり得る。ちなみに、消費者物価そのものは前年比プラス2.9%、コア指数は同3.7%程度と見込まれているようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.90-150.20円。ドル高・円安方向は東京高値にもあたる149.60円レベルが最初の抵抗。抜ければ名実ともに150円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、依然として「しっかり」とは割り込めない149円レベルをめぐる攻防に引き続き注目。ただ下回っても底堅く、大崩れは基本的に予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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