ドル円146円台半ば、FOMC前後の米金利低下受け軟調推移
1日午前の東京市場でドル円は頭の重い展開。朝方(6:00)147.17レベルで取引の始まったドル円は、もみ合いながらも次第に上値、下値を切り下げる動きとなり、11時過ぎには一時146.48の安値をつけました。東京時間正午現在は146.56で取引されています。
未明のFOMC結果公表とパウエル議長の会見を受けてNY終盤に3.91%台まで低下した米10年債利回りは、時間外で3.94%台で推移しています。
日経平均株価は、FOMCの結果を受け3月米利下げ観測が大幅に後退したことで、昨晩米主要株価指数が下落した流れを受け、売りが先行。円高進行も嫌気されて、多くの業種で下げ、262円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、FOMCの結果公表を前に発表されたADP雇用統計、雇用コスト指数、シカゴ購買部協会景況感指数等の米指標がいずれも弱かったことから、米長期金利が急低下。ドル円は欧州終盤にかけ146.08まで急落しました。注目されたFOMCの結果は、予想通り政策金利は据え置かれたものの、声明文では経済の現状判断を引き上げる一方で、追加利上げに関する文言が消えました。また、FRBの物価・雇用目標達成へのリスクを「より良いバランスへ移行しつつある」と表現するなど、金融引き締め政策転換へ向けての明確なサインが示された形となりました。一方でパウエル議長は会見で3月利下げは「最も可能性の高いケースや基本シナリオと呼ばれるものではない」「今回利下げの提案は出ていない」等利下げを急がない姿勢も示しており、ドル円は会見中146.01-147.44レンジを乱高下する荒い値動きとなりました。
テクニカルにはドル円は、昨晩からの下落で90日移動平均線を割り込み、昨晩は一時21日移動平均線、一目均衡表の「雲」上限等も下抜けています。本日はここまで90日線(147.35レベル)の下で推移しており、146.65付近を上昇中の21日線に絡む動きとなっており、ドル売り地合いが強まった印象です。
FOMCは今回政策不変とは言え、声明文のトーンは明らかに変化し、FRBが金利引き上げを終了させる明確なメッセージを送っています。パウエル議長は3月利下げに対して否定的な見方を示しましたが、ここへ来て米地銀NYCBの経営悪化が明るみに出て、米不動産市場のリスクの高まりが俄かに顕在化する等波乱要因もあり、今後の展開次第では予想より米利下げが早まる可能性も否定できないことから、その影響拡大の有無には注意が必要です。
ドル円日足
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