米FOMCにらみだが、ドル続落にも要注意
〇本日のドル円、寄り付いた147円半ばを日中高値に上値が重く下値も堅い、FOMC待ちで動意乏しい
〇昨日高値148.33から緩やかな右肩下がり、本日東京時間には147.20レベルへと1円以上の下落を記録
〇明日の米FOMCが結果発表を控え、大局的には引き続きレンジにとどまる
〇米経済指標が波乱要因となる可能性もあり、一応要注意
〇予想レンジは146.70-147.80、ドル高・円安方向は、147円半ばに位置する90日線が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値の147.20レベル、1/25安値147.08などをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小安い。明31日の米FOMC待ちのためか動意が全般的に乏しいなか、ドルはわずかに弱含んだ。
ドル/円は、寄り付いた147円半ばを日中高値にドルが冴えない。上値の重い展開ながら、下値も堅く147円を割り込むには至らなかった。24、28日に続き本日も途中で「北朝鮮によるミサイル発射」が伝えられたが、為替市場の反応は限られ、「有事のドル買い」は見送られている。16時現在では147.30-35円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中国恒大集団」と「中東情勢」について。
前者は、昨日香港の高等裁判所にあたる高等法院が正式に「法的整理手続きの開始を決める命令」を出した中国恒大集団が引き続き話題に。しかし、朝日新聞が「資産の多くは中国本土にあり、手続きが進むかどうかは中国政府の意向次第」と報じていたように、今後どうなるのかは依然として不透明。なお、香港株式市場では、恒大本体が売買停止となったものの、傘下の電気自動車(EV)メーカー中国恒大新能源汽車集団と、不動産管理の恒大物業集団の子会社2社の株式取引が本日再開されていた。一方、それとは別に新華社通信は、何副首相が、株式市場の低迷が長期化するなか、資本市場の安定を図るため、上場企業への支援を強化するよう呼びかけたと報じている。
対して後者は、カタール首相が「ガザ人質解放交渉は良好に進展」との認識を示すなど明るい兆しもうかがえる反面、米NSC調整官からは「ガザ人質解放にはまだ課題が多い」とやや慎重な発言が聞かれていた。一足飛びの進展というわけにはいかないのかもしれない。一方、ヨルダンの米軍基地がドローン(無人機)攻撃を受け米軍兵士が死傷したことを受け、米国防長官からは「米国と米軍を守るために必要なあらゆる行動を取る」とする厳しい発言が聞かれていたようだ。今後の動きも注目されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日東京の早い時間帯につけた148.33円を目先高値に、緩やかな右肩下がり。本日東京時間には147.20円レベルと1円以上の下落を記録していた。ドルの下値リスクが再燃しつつあるとも言えるが、明日に重要な材料を控えているうえ、テクニカルにも大局的には引き続きレンジにとどまっている。もう少し状況を見極めたい。ただ、足もとのレンジを底割れし、24日安値146.65円も下回ると下げが加速する可能性もある。
市場の関心を集めていた日欧中銀などによる金融政策結果が発表されるなか、明日いよいよ掉尾を飾る格好で米FOMCが結果発表を実施する予定だ。本日は基本それにらみだが昨日も発表された米経済指標が波乱要因となっており、前日ながら油断は禁物と思われる。また、中東情勢における地政学リスクのさらなる高まりを警戒する声もあった。続報などに一応要注意だろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は上値がかなり重い感。本日東京時間は147円半ばに位置する移動平均の90日線が強い抵抗となっていたようで、超えていくことができなかった。このあとも90日線が抵抗として寄与する可能性がある。
それに対するドルのサポートは、まず25日安値の147.08円か。仮に下回ると146.65円が再び視界内に捉えられるだろう。
本日は米経済指標として、11月のS&Pケースシラー住宅価格指数や1月の消費者信頼感指数などが発表される予定となっている。既に指摘しているように、明31日に米FOMCの結果発表を控えているとはいえ、ここのところ発表される米経済指標が波乱要因となることが多く、本日も内容次第では予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.70-147.80円。ドル高・円安方向は前述したように、東京で超えられなかった90日線が最初の抵抗。抜ければ148円台回復も。
対するドル安・円高方向は、東京安値の147.20円レベル、25日安値147.08円などをめぐる攻防にまずは注目だ。割り込むと146.65円が意識されそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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