ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はFOMC後のパウエル議長記者会見に注目(1/31朝)

30日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はFOMC後のパウエル議長記者会見に注目(1/31朝)

振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はFOMC後のパウエル議長記者会見に注目

〇ドル円、米長期金利低下に米国時間に147.09まで下落後、米指標の好調等に147.95まで持ち直す
〇その後はFOMC前のポジション調整に147.60付近に戻す
〇ユーロドル、ユーロ圏4QGDPの予想上回る動き、株価堅調、欧州債利回り上昇に1.08台半ばに上昇
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.50ー149.00

海外時間のレビュー

30日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)前日海外時間以降のドル売りの流れの継続や、(2)前日安値147.25を目指した仕掛け的なドル売り・円買い、(3)月末前の実需のドル売り(本邦輸出企業と思しきドル売り・円買い)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値147.09まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)国際通貨基金(IMF)による2024年の米国経済予測(結果2.1%、前回1.5%)の上方修正や、(6)米12月JOLT雇用動態調査(結果902.6万人、予想871.0万人)の市場予想を上回る結果や、(7)米1月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果114.8、予想112.0)の市場予想を上回る結果、(8)米長期金利の低下幅縮小が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値147.95まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)重要イベント(米FOMC)前のポジション調整も相俟って反落し、本稿執筆時点(日本時間1/31午前5時40分現在)では、147.62前後で推移しております。

30日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)ECB当局者による相次ぐ前日のハト派発言(昨日はフランス中銀ビルロワドガロー総裁や、ポルトガル中銀センテノ総裁、スロバキア中銀カジミール総裁、デギンドスECB副総裁よりハト派的な発言あり)や、(2)上記1を背景とした欧州債利回りの低下が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0811まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)ユーロ圏10ー12月期GDP速報値(結果±0.0%、予想▲0.1%)の市場予想を上回る結果や、(4)欧州株の底堅い動き、(5)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0857まで反発しました。米国時間午後にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/31午前5時40分現在)では、1.0842前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は上下しつつも方向感を見出すには至りませんでした。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「EMAベースでの強気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(上昇トレンド継続中)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(例えマイナス金利を解除したとしてもイールドカーブコントロール等の金融緩和措置が続くとの見方の浮上+先週末金曜日に発表された東京区部1月消費者物価指数の下振れを受けたマイナス金利解除時期の後ずれ観測)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で、日本時間2/1午前4時に発表される米FOMCと、同4時30分からスタートするパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まります。政策変更は無いと見られることから、市場の関心は後者(パウエルFRB議長の記者会見)に移っています。パウエルFRB議長が「利下げ議論は時期尚早」とのスタンスを見せる場合には、現在4割程度織り込まれている3月FOMCでの利下げ期待が後退し、「米長期金利上昇→米ドル買い」の経路でドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されます(直近で発表された米CPIや米GDPが力強い結果となったことや、ウォラーFRB理事をはじめ投票権を有する米FRB高官より「利下げを急ぐ必要は無い」とのスタンスが相次いでいたこと等を踏まえると、パウエルFRB議長は前回よりもハト派色を薄めてくる公算大→3月利下げ開始の地均しを一切行わない場合は、上述の通し現在4割程度織り込まれている利下げ期待が剥落するため、ドル円相場が急上昇に転じる恐れあり)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(米FOMC通過後のドル円急伸)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:146.50ー149.00

注:ポイント要約は編集部

振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はFOMC後のパウエル議長記者会見に注目

ドル円日足

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