ドル円 米消費者物価を注視、発表前後は波乱含みか(1/11夕)

東京市場はドルが小安い。前日に続き、本日も145円後半では上値が重く、売りに押される展開だった。

ドル円 米消費者物価を注視、発表前後は波乱含みか(1/11夕)

米消費者物価を注視、発表前後は波乱含みか

〇ドル円、しばらく揉み合い後、狭いレンジ取引をたどり145.25-30へ値を下げる
〇足もとは日米金利差縮小観測が後退、市場はドル買い・円売りに傾きやすい環境に
〇昨日・今日と先週末に示現した145.98にとどかず、同レベルが強い抵抗として寄与する可能性も
〇テクニカルには、短期のチャートのダブルトップ上抜け失敗の場合、下値トライの機運が高まるか
〇本日は米12月消費者物価指数、新規失業保険申請件数の発表予定、結果次第で流れが一変するリスクも
〇予想レンジは144.60-146.10、ドル高・円安方向は昨日高値そして145.98をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、東京安値145.25-30が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。前日に続き、本日も145円後半では上値が重く、売りに押される展開だった。

ドル/円は145.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。145.60-80円といった非常に狭いレンジ取引をたどるも、底割れすると日中安値の145.25-30円へと値を下げた。ただ、NY時間の米消費者物価指数発表にらみで、大きな動意には結び付かず。16時現在では145.40-45円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、日経平均株価は本日も続伸。終値ベースでもバブル崩壊後高値を更新した35000円台を示現している。

一方、材料的に注視されていたものは「台湾情勢」と「米国情勢」について。
前者は、13日の総統選をにらみ、中国から台湾への圧力が引き続き目に付くなか、中国による積極的な外交姿勢がうかがえ一部で話題に。たとえば、習国家主席がフィンランド首相と会談を行ったうえ、インド洋の島国モルディブのムイズ大統領とも会談。後者については、両国関係を「全面戦略パートナーシップ関係に格上げする」と表明していた。また、それとは別に、王外相がロシアのラブロフ外相と電話会談を実施し、首脳を含むハイレベルの往来を続ける方針で一致したという。

対して後者は、米消費者物価指数の発表が注目を集めるなか、つなぎ予算問題が急浮上し相場の波乱要因として警戒されていた。また、オースティン国防長官の入院が事前にバイデン氏らに報告されていなかった米政治情勢についての綻びも、別途話題を呼んでいる。後者の話と絡めて言えば、米共和党が多数を占める下院の国土安全保障委員会が、南部国境から流入する不法移民の急増に対応できていないとして、マヨルカス国土安全保障長官の弾劾訴追に向けた公聴会を開くなど、政権内での混乱が表面化しつつある模様。少し先の話になるが、今秋の米大統領選をにらんだ与野党の駆け引きも活発化しつつあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日、先週末に示現した145.98円に迫るもとどかず。続く本日東京時間にも到達することは出来なかった。このあとも同レベルが強い抵抗として寄与する可能性もありそうだ。とは言え、近いレベルである146.10円は以前もレポートしたように、高値151.92円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たるテクニカルポイント。したがって、米指標発表後などに146円前後をしっかり超えるとドル高に弾みが付きかねないかもしれない。ドル一段高のリスクもある。
足もとは「日米金利差縮小」観測が後退。それを受け市場はドル買い・円売りに傾きやすい環境にある。しかし、本日は注目の米消費者物価指数発表が予定されており、その数字如何では流れが一変するようなリスクもある。ちなみに、市場では前年比でプラス3.2%程度が予想の中心か。強い結果となれば、米金利上昇にともないドル高に振れると見られる反面、弱い数字となれば一気にドル安進行も。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は再びドル高方向へのリスクを感じさせるが、5日高値145.98円を昨日超えられなかったことが若干気掛かり。時間足など短期のチャートではダブルトップの様相を呈していることで、このあとドルの上抜けが失敗に終われば一転してドルは下値トライの機運が高まりかねないかもしれない。その場合は9日安値143.43円がターゲットに。

本日は米経済指標として、12月の消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される見込みだ。後者ももちろん要注意だが、特に前者の数字に注目。予想以上の伸びを示せば、ドルはさらなる戻りを試す可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.60-146.10円。ドル高・円安方向は昨日高値そして145.98円をめぐる攻防に注目。抜ければ146.10円も超えていく展開か。
対するドル安・円高方向は、東京安値145.25-30円が最初のサポートで、下抜けると144円前半まで1円程度一気にドル安が進行しても不思議はない。その下も明確なサポートは乏しく波乱含みか。

米消費者物価を注視、発表前後は波乱含みか

ドル円日足


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