ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて146円台半ばへ急伸。フィボナッチ半値戻しも達成済(1/12朝)

11日(木)のドル円相場は上昇後に反落。

ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて146円台半ばへ急伸。フィボナッチ半値戻しも達成済(1/12朝)

市場予想を上回る米CPIを受けて146円台半ばへ急伸。フィボナッチ半値戻しも達成済

〇ドル円、米CPI、新規失業保険申請者数の予想を上回る結果等に、米国時間に146.41まで急伸
〇買い一巡後は米長期金利の反落等に145円台半ばに値を戻す
〇ユーロドル1.09台半ばで方向感なく推移
〇ドル円、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻しを達成
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレードの再開期待がサポート
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:144.75ー146.50

11日(木)のドル円相場は上昇後に反落。(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(2)円金利低下に伴う円売り圧力、(3)米新規失業保険申請件数(結果20.2万件、予想21.0万件)の良好な結果、(4)米12月消費者物価指数(結果+3.4%、予想+3.2%)および、同コア指数(結果+3.9%、予想+3.8%)の市場予想を上回る結果、(5)上記4を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米金利上昇→米ドル急伸)、(6)テクニカル的な地合いの強さ(昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻し146.08の上方ブレイク成功)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値146.41まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時20分現在)では、145.50前後まで値を崩す動きとなっております。尚、昨日はクリーブランド連銀メスター総裁による「12月CPIの結果は我々の仕事がまだ終わっていないことを示唆」「3月利下げは早すぎる」との発言や、リッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレ率が2%に向けて軌道に乗れば利下げに前向きになる」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

11日(木)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。米国時間朝方にかけて、高値1.1000まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米12月消費者物価指数および同コア指数の市場予想を上回る結果や、(2)上記1を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米長期金利急上昇→米ドル急伸)、(3)欧州株の冴えない動き、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0930まで反落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)ドイツ11月経常収支(結果308億ユーロ黒字、前回200億ユーロ黒字)の黒字幅拡大や、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時20分現在)では、1.0961前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はラガルドECB総裁より「ECBはピーク金利にある可能性が高い」「インフレ経路がデータで確認できれば利下げを開始できる」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに反発に転じると、昨日は一時146.41まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線)を上抜けした他、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻し(146.08)も達成するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測(能登半島地震の影響+実質賃金総額の悪化を背景にマイナス金利解除時期が予想よりも大幅に後ずれするとの思惑浮上)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米当局者による相次ぐ「利下げ議論は時期尚早」との牽制発言+米雇用統計および米CPIの市場予想を上回る結果を受けて、米早期利下げ観測が後退)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの再開期待、(4)新NISA開始に伴う本邦個人投資家による外株投資の拡大期待(外株投資を行うための円売り・外貨買い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日22:30に予定されている米12月生産者物価指数が市場予想を上回る場合には、「米FRBによる3月利下げ観測の更なる後退→米長期金利上昇→米ドル買い」の経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(半値戻しは全値戻しの格言の通り、ここから先は昨年11/13に記録した高値151.91に向けて上値を伸ばすシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:144.75ー146.50

注:ポイント要約は編集部

市場予想を上回る米CPIを受けて146円台半ばへ急伸。フィボナッチ半値戻しも達成済

ドル円日足

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