ドル円 基本はレンジ、明日の米消費者物価待ちか(1/10夕)

東京市場はドルが小高い。145円にはとどかなかったが、それでもドル買いが終日優勢だった。

ドル円 基本はレンジ、明日の米消費者物価待ちか(1/10夕)

基本はレンジ、明日の米消費者物価待ちか

〇東京市場のドル円はドルが小高い。前日高値144.62を超え145円手前まで一時値を上げる
〇市場は明日の米消費者物価指数を注視。上値重く、本格的な動意は明日以降か
〇本日は11月卸売在庫や同卸売売上高などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、145円レベルが最初の抵抗、抜ければ少し遠いが145.98も視界内
〇ドル安円高方向、短期のサポートで144.30レベルの攻防に注目。下回ると21日線や200日線を意識か
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.30-145.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小高い。145円にはとどかなかったが、それでもドル買いが終日優勢だった。

ドル/円は144.45円前後で寄り付いたのち、早い段階で日中安値の144.30円レベルを示現。しかし、以降は緩やかなドル買いが目に付く展開で、前日高値144.62円を超えて145円手前まで一時値を上げている。株価や金利の動きに一喜一憂しつつも、16時現在ではそのままドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、日経平均株価は終値ベースでも34000円台。連日でバブル崩壊後高値を更新している。

一方、材料的に注視されていたものは「台湾情勢」と「ビットコイン」について。
前者は、13日の総統選をにらみ、引き続き中国による台湾への圧力が目に付く。中国による衛星発射で台湾住民に注意を呼びかける防空警報が流れるなか、中国商務省からは別途「台湾に対する関税免除制度の一時停止に向けた一段の措置を検討している」との発表がなされていた。また、中国の駐米大使は参加したイベントで、「台湾独立」を主張する人々と妥協する余地は中国にないと言明。さらに、在日中国大使館は8日に自民党の麻生副総裁が発したコメントに噛み付き、「台湾問題は中国の内政」と表明していたようだ。

対して後者は、米証券取引委員会(SEC)による、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)承認をめぐり右往左往。SNSのX(旧ツイッター)に、SEC登録の証券取引所すべてを対象にビットコインETFを承認したとの投稿が掲載されたうえ、ゲンスラーSEC委員長の偽コメントも付随されており、信じた人が多かったようだ。しか、そののちSECが投稿を否定。さらに「何者かが不正にアクセスして承認したとの偽メッセージを書き込んだ」と指摘したことで、騒ぎが広がる格好となった。実際、ビットコインの変動もかなりのものとなり、短時間でかなり激しい上下動をたどっている。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末に示現した145.98円がやはり目先の高値になった格好で、目先のドル/円相場はレンジ取引。市場では明日のNY時間に発表される米消費者物価指数が注視されており、このあとも基本的にはそれにらみか。とは言え、レンジ内では上下になかなか大きな変動をたどっており、このあとも荒っぽい上下動には注意が必要かもしれない。また可能性は低そうだが、先の高値を抜け146円に乗せたりすれば、上値は波乱含みに。
昨年末まで市場を席巻していた「日米金利差縮小」観測が後退、市場はドル買い・円売りに傾きやすい環境だ。そうしたなか、米国は前述したように11日の米消費者物価指数発表が注視されているうえ、日本は昨日レポートした通り、「北陸地域の支店長らから震災の被災状況や経済への影響について報告を受ける」ことが予想される11日の日銀支店長会議への注目度が高まっている。いずれにしても、目先のキーポイントは明11日と考えられ、本日は基本それら次の材料待ちか。ただ、そうしたなか来週末に迫る米連邦政府の一部閉鎖回避に向けた「つなぎ予算」をめぐる動きには一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日東京で示現した143.43円を目先ボトムに、緩やかな右肩上がり。テクニカルには移動平均の200日線がサポートになった格好で、直近高値145.98円も薄っすらとだが視界内に捉えられている。このままドルが続伸する展開も否定できないが、それでも上値は重そうで、材料面を加味すれば本格的な動意は明日以降か。目先は144円後半を中心とした気迷い相場が予想されている。
本日は米経済指標として、11月の卸売在庫や同卸売売上高などが発表される予定だ。また、国連安全保障理事会でロシアと北朝鮮の武器取引が取り上げられる見通しだ。こちらについても、一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.30-145.50円。ドル高・円安方向は145円レベルが最初の抵抗で、抜ければ少し遠いが145.98円も視界内に入ってくる。
対するドル安・円高方向は、短期のサポートとして育ちつつある144.30円レベルの攻防にまずは注目。下回ると再び143円台突入から、21日線や200日線が意識されそうだ。

基本はレンジ、明日の米消費者物価待ちか

ドル円日足


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