本邦勤労統計の大幅悪化で145円台後半へと急上昇。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、米国時間朝方にかけ145.82まで上昇
〇本邦の11月現金給与総額・実質賃金の予想下回る結果、日経平均大幅上昇、米金利上昇がサポート
〇ユーロドル、ECB利下げの後ずれ観測等に米国時間午後にかけ1.0971まで上昇、底堅い
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレードの再開期待がサポート
〇本日22:30に予定されている米12月消費者物価指数が強い場合、強い上昇圧力も
〇目先は、11/13高値151.91から12/28安値140.25までの下落の半値戻し146.08を試す動きを想定
〇本日の予想レンジ:145.00ー147.00
海外時間のレビュー
10日(水)のドル円相場は大幅上昇。アジア時間朝方にかけて、安値144.31まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦11月毎月勤労統計の現金給与総額(結果0.2%、予想1.5%、前回1.5%)の市場予想を大幅に下回る結果や、(2)本邦11月実質賃金総額(結果▲3.0%、予想▲2.0%、前回▲2.3%)の市場予想を大幅に下回る結果、(3)上記1、2を背景とした日銀による金融緩和の長期化観測(物価高に賃金上昇が追い付いていない状況が明らかとなったことでマイナス金利解除は時期尚早との思惑浮上→対主要通貨での円売り再開)、(4)日経平均株価の大幅上昇(リスク選好の円売り圧力)、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値145.82まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/11午前4時40分現在)では、145.69前後で推移しております。
10日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値1.0920まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)シュナーベルECB専務理事による「It is too early to discuss rate cuts(利下げを協議するには時期尚早)」とのタカ派的なコメント投稿(Xへのポスト)、(2)上記1を背景としたECBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力)、(3)ECBフィキシングに絡むユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0971まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/11午前4時40分現在)では、1.0969前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時145.82まで急伸するなど、先週末金曜日(1/5)の米雇用統計直後に記録した戻り高値145.99に迫りました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線)の上側で推移していることや、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ38.2%戻し(144.70)を達成したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測(能登半島地震の影響に加えて、昨日公表された毎月勤労統計で現金給与総額や実質賃金総額の悪化が明らかに→マイナス金利解除時期の後ずれ観測再燃)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米当局者による相次ぐ利下げ織り込みを牽制する発言を受けて3月FOMCでの25bp利下げ確率が低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待、(4)株式市場の堅調推移(日米共に株式市場が堅調推移→リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日22:30に予定されている米12月消費者物価指数(予想3.2%、前回3.1%)や、同コア指数(予想3.8%、前回4.0%)が市場予想を上回る場合には、「米FRBによる早期利下げ観測後退→米長期金利上昇→米ドル買い」の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる恐れも出てくるため、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻し146.08を試す動きを想定。同水準を突破できれば、90日移動平均線が位置する147.48がターゲットに)。
本日の予想レンジ:145.00ー147.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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