基本は次の材料待ち、方向性出にくい
〇本日のドル円、一時143.40-45まで下げたが、夕方に掛けて144.10-15まで買い戻される
〇日経平均株価はザラ場ベースでバブル崩壊後の高値を示現
〇次の材料待ちで、当面は143-145円あたりをコアレンジとした値動きとなるか
〇1/11発表の米消費者物価指数発表、同日に開催される日銀支店長会議への注目度高まる
〇欧米時間のドル円予想レンジは143.30-144.40、ドル高・円安方向は144.30レベルが最初の抵抗か
〇ドル安円高方向は、143.40-45をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場は往来相場。一時143円半ば割れまでドル安が進んだものの、その後は大きく買い戻されている。
ドル/円は144.25円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。米金利低下などを材料に、前日安値143.67円を割り込み、143.40-45円まで一時値を下げた。しかし、下げ止まったあとは一転して上値をうかがう展開。夕方に掛けて144.10-15円まで買い戻され、16時現在ではそのままのレベルで推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均株価はザラ場ベースでバブル崩壊後高値を示現。23年11月以来の高値を一時更新していた。
一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「ガザ情勢」について。
前者は、時事通信が「1日の能登半島地震が国内経済に与える影響を見極める必要があるとして、1月のマイナス金利政策の解除は見送られるとの見方が強まった」と指摘したうえで、11日に開催される日銀支店長会議について「北陸地域の支店長らから被災状況や経済への影響について報告を受ける見通し」とし、注意喚起を行っていた。場合によっては、前述した金融政策見通しへの影響も否定できない。一方、米国はアトランタ連銀総裁が「現時点では勝利を宣言するのは時期尚早」との見解を表明した反面、「第3四半期には初の利下げを期待している」との発言も聞かれていたようだ。
対して後者は、米国務長官がUAEでムハンマド大統領らと会談し、ガザ紛争拡大阻止を協議。また、EU外相に当たるボレル外交安全保障上級代表とも会談を行ったとされるが、具体的な進展は見られなかった。さらに、米副大統領がイスラエル大統領と電話会談を実施。戦闘拡大防止を協議したが、こちらも目立った成果は聞かれていない。協議が手詰まりとなっている感を否めないものの、バイデン氏は実施した国内での講演で「ガザ撤収を粛々とイスラエル政府に働き掛けている」とし、成果ならびに政策の継続を強調していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週末に示現した145.98円がやはり目先の高値になった格好。したがって、ワイドに見た場合には12月28日安値140.26円と前述した145.98円、5.7円ほどのレンジ取引がしばらく続きそうだ。5.7円レンジは少し広すぎると捉えれば、まずは143-145円あたりをコアレンジとした値動きかもしれない。つまり、11日のNY時間には注目の米インフレ指標が発表されることで、目先はそれにらみの展開をたどる可能性もある。
市場は依然として日米による金融政策への関心が高いが、昨年末までの「日米金利差縮小」観測が後退しているようだ。そうしたなか、米国については11日に発表される米消費者物価指数発表が注視されているうえ、日本も前記したように11日に開催される日銀支店長会議への注目度が高まっているようだ。目先のキーポイントは11日になるだろう。一方、それとは別に週末に総統選を控えた台湾や、ボルヌ首相が辞任を表明したフランスなど各国の政治情勢にも不穏な空気が漂い始めており予断を許さないだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨年末に目先安値、年明けに目先高値を示現した感があり、しばらくは両者に挟まれてのレンジ取引か。短期的には次の材料睨みつつ、レンジ内での往来相場が続く見込みだ。ただ、下方向でいえば移動平均の21日線や200日線が位置する143円前半割れ、上方向なら146円台へ乗せてくるとその限りではなく、波乱の展開も。
本日は米経済指標として、11月の貿易収支などが発表されるほか、バーFRB副議長による講演が実施される予定となっている。そのほか、自民党・麻生副総裁が本日から訪米し、米要人と会談する見込みとされるだけに、政治ファクターも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.30-144.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値の144.30円レベルが最初の抵抗か。抜ければ昨日高値144.92円がターゲット。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値である143.40-45円をめぐる攻防に注目。下回ると21日線や200日線が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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