ドル円、下落後に「全値戻し」を達成する強い動き。200日移動平均線がサポートとして確り機能(1/10朝)

9日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に「全値戻し」を達成する強い動き。200日移動平均線がサポートとして確り機能(1/10朝)

ドル円、下落後に「全値戻し」を達成する強い動き。

〇ドル円、米国時間午後にかけ高値144.63まで急伸、底堅く推移
〇日経平均株価の堅調、短期筋のショートカバー、円金利低下等が背景
〇ユーロドル、独鉱工業生産の不冴え等に米国時間午後にかけ1.0911まで下落
〇ドル円、200日線がサポートとして確り機能し、主要テクニカルポイントの上で推移、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレードの再開観測がサポート
〇明日明後日の米物価指標を前に方向感を見出しづらい時間帯が続きそう
〇本日の予想レンジ:143.75ー145.00

海外時間のレビュー

9日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り、(3)前日安値143.66を下抜けたことに伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値143.43まで下落しました。しかし、市場参加者に意識されている200日移動平均線(143.41)をバックに下げ渋ると、(4)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(5)短期筋のショートカバー、(6)円金利低下に伴う円売り圧力、(7)米長期金利の低下幅縮小、(8)米主要株価指数の底堅い動き、(9)ロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値144.63まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/10午前5時30分現在)では、144.40前後で推移しております。尚、昨日はボウマンFRB理事より「インフレ率の低下が停滞する場合には依然として利上げの用意がある」「インフレの上振れリスクは依然として残る」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

9日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0966まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ドイツ11月鉱工業生産(結果▲0.7%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果や、(2)ポルトガル中銀センテノ総裁による「緩和の時期が近づいている」とのハト派的な発言、(3)欧州株の冴えない動き、(4)米長期金利の低下幅縮小、(5)米主要株価指数の底堅い動き、(6)ロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0911まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/10午前5時30分現在)では、1.0928前後で推移しております。尚、昨日はフランス中銀ビルロワドガロー総裁より「2024年は利下げが行われるはず」「ECBの利下げはデータによって決定される」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時143.43まで下げ幅を広げるも、米国時間午後にかけて「全値戻し」する力強い動きとなりました。200日移動平均線がサポートとして確り機能したことや、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測(能登半島地震の影響でマイナス金利の解除時期は早くても4月以降にずれ込むとの見方が市場コンセンサス)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米当局者による相次ぐ牽制発言を受けて3月FOMCでの25bp利下げ確率が急低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレードの再開観測(日米10年債の名目金利差は昨年末時点の325bpから足元342bpに拡大中)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

明日(1/11)予定されている米12月消費者物価指数や、明後日(1/12)に予定されている米12月生産者物価指数が市場予想を上回る場合には、昨日ボウマンFRB理事が「インフレ率の低下が停滞する場合には依然として利上げの用意がある」と述べた通り、‘’米国のインフレ鈍化ペース停滞→米FRBによる早期利下げ観測後退→米長期金利上昇→米ドル買い‘’の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる恐れも出てくるため、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数(21:00)、米11月卸売売上高(24:00)、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演(5:15)に注目が集まりますが、翌日以降に重要イベント(米12月消費者物価指数、米12月生産者物価指数)を控えていることもあり、昨日同様、上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。

本日の予想レンジ:143.75ー145.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に「全値戻し」を達成する強い動き。

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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