ドル円見通し 4連騰後の修正安落ち着き143円台前半から1円を超える反発(24/1/10)

ドル円は、連騰後の修正安が落ち着いたことで買い戻し優勢となり、10日未明には144.62円を付けた。

ドル円見通し 4連騰後の修正安落ち着き143円台前半から1円を超える反発(24/1/10)

4連騰後の修正安落ち着き143円台前半から1円を超える反発

〇ドル円、1/10未明144.62つける。1/9午前安値143.41で目先の底を付け戻りを試しているところか
〇市場の関心は1/11夜の米CPI。コア指数の鈍化傾向顕著なら3月利下げ期待再燃でドル安円高も
〇米長期債利回り、米CPI発表控え上昇一服感で総じて小幅低下
〇米株は堅調、金融緩和期の到来を先取りした楽観的な株高基調継続
〇144円以上での推移中は上昇余地ありとし、144.62超えからは145円台序盤への上昇を想定
〇143.80割れからは1/9午前安値143.41試しとし、底割れからは143円前後試しを想定

【概況】

ドル円は米国の利下げ開始時期先送り感と1月1日に発生した能登半島大地震の影響による円売りで1月2日から5日にかけて4連騰となり、1月5日夜の米雇用統計が予想よりも強かったことで発表直後に145.96円を付けて12月29日未明安値140.24円以降の高値とした。その後のISMサービス業景況指数が予想を下回る低下となったことで143.80円へ急落する乱高下で連騰が一巡し、8日はややジリ安の推移で9日未明に143.66円へ下落、9日午前には143.41円まで安値を切り下げたが、連騰後の修正安が落ち着いたことで買い戻し優勢となり、10日未明には144.62円を付けた。

1月9日午後発表の独11月鉱工業生産が前月比0.7%減、前年比4.8%減と低調だったことでユーロは上値の重い展開となった。9日夜の米11月貿易赤字は632億ドルで10月の645億ドルおよび市場予想の650億ドルを下回ったことに対する市場反応は鈍かった。
市場の関心は11日夜の米12月CPIへ向いており、事前予想では全体の前年比が11月の3.1%から3.2%へ再上昇し、コア指数の前年比は11月の4.0%から3.8%へ鈍化すると見込まれているが、コア指数の鈍化傾向が顕著になれば3月利下げ期待が再び強まってドル安円高のきっかけとなるかもしれない。

【米10年債利回りは年末からの上昇一服、米株は堅調】

1月9日の米長期債利回りは11日の米CPI発表を控えての上昇一服感で総じて小幅低下した。
長期金利指標の10年債利回りは前日比001%低下の4.02%となったが、12月27日に3.78%まで低下したところからリバウンドに入っていたものの1月5日の米雇用統計発表直後に4.10%をつけた後は上げ渋りの様相であり、リバウンドに一服感がみられる。9日に実施された3年債入札が堅調だったことも利回り上昇を抑えたようだが、10日に10年債、11日に30年債の入札がある。
30年債利回りは前日比0.01%低下の4.19%となり、12月27日に付けた3.94%から1月5日の4.24%まで戻した後は上昇一服の様相。
2年債利回りは前日比0.01%低下の4.37%となり、12月27日に付けた4.23%からの戻りが1月5日の一時的急伸による4.49%で頭打ちとなり、8日と9日は上げ渋りの揉み合いという印象だ。

10月以降、主要長期債利回りはリバウンドを消化しながら低下傾向を続けており、現状もその範囲にある。米FRB高官や地区連銀総裁らが3月利下げ開始への市場の期待をいさめる発言を繰り返しているものの、12月FOMCで示された年内3回利下げ想定は変わらず、インフレ鈍化がより顕著となれば4回ないし5回の利下げもあり得るのではないかと金利先物市場は見ており、3月利下げ確率についても一時9割まで上昇したところから低下したものの6割強の水準を維持している。
NYダウは1月4日から8日まで3連騰してきたが、9日は157.85ドル安と4営業日ぶりに反落したものの37000ドル台を維持しており、金融緩和期の到来を先取りした楽観的な株高基調は継続している印象だ。ナスダック総合指数は13.94ポイント高と小幅上昇だったものの1月5日から3連騰とした。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は12月29日未明安値140.24円からの反騰が1月5日夜高値145.96円で一巡し、5日深夜からの乱高下を通過して9日午前に143.41円まで下げたが、10日未明に144.62円まで戻しているため、9日午前安値で目先の底を付けて戻りを試しているところと思われる。143円台を押し目形成の場として上昇再開から一段高へ進むのか、9日午前安値を割り込んで1月5日夜からの下落が二段目に入るのか、11日夜の米CPI反応次第と思われる。
1月9日午前安値割れを回避するうちは10日夜から12日深夜にかけての間への上昇余地ありとするが、143.80円割れからは下向きとし、9日午前安値143.41円割れからは二段目の下落期入りとして12日午前から16日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月9日午前安値からの反発により遅行スパンが好転して先行スパンへ潜り込んでいる。先行スパンから再び転落する場合は一段安を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは1月5日夜高値を試す上昇期とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月9日午前に30ポイントを試してから持ち直して10日未明には60ポイントをいったん超えているのでまだ上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、1月9日午前安値143.41円を下値支持線、10日未明高値144.62円を上値抵抗線とする。
(2)144円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、144.62円超えからは145円台序盤への上昇を想定する。145円到達では売られやすいとみるが、144円台を維持しての推移なら11日の日中も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)143.80円割れからは9日午前安値143.41円試しとし、底割れからは143円前後試しを想定する。143円割れはいったん買われやすいとみるが、143円割れから下げ足が速まる場合は142円台中盤(142.65円から142.35円)を目指して行く下落を想定する。

【当面の予定】

1/10(水)
24:00 (米) 11月 卸売売上高 前月比 (10月 -1.3%、予想 -0.3%)
24:30 (米) EIA週間石油在庫統計
27:00 (米) 財務省10年ハイイールド債入札
29:15 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演(経済見通し)


1/11(木)
06:45 (NZ) 11月 住宅建設許可件数 前月比 (10月 8.7%)
09:30 (豪) 11月 貿易収支 (10月 71.29億豪ドル、75.00億豪ドル)
14:00 (日) 11月 景気先行指数CI・速報値 (10月 108.9、予想 107.9)
14:00 (日) 11月 景気一致指数CI・速報値 (10月 115.9、予想 114.5)
14:00 (日) 日銀地域経済報告「さくらリポート」

18:00 (欧) ECB(欧州中銀)経済報告
22:30 (米) 12月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (11月 0.1%、予想 0.2%)
22:30 (米) 12月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (11月 3.1%、予想 3.2%)
22:30 (米) 12月 コアCPI 前月比 (11月 0.3%、予想 0.3%)
22:30 (米) 12月 コアCPI 前年同月比 (11月 4.0%、予想 3.8%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 20.2万件、予想 21.1万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 185.5万人、予想 187.8万人)
28:00 (米) 12月 財政収支 (11月 -3140億ドル、予想 -625億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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