短期ドル高値も達成か、目先はレンジ取引!?
〇アジア市場のドル円、ドル買い先行で144.95レベルまで値を上げるも145円にとどかず反落
〇その後は緩やかな右肩下がり、144円前半などで小安い値動きに終始
〇ドル下値が143.80-146.00の2円強の新レンジ形成か、底割れし下値模索のどちらになるか注目
〇本日はアトランタ連銀総裁による経済見通しについての講演に注意
〇ドル高円安方向は先週末の米雇用統計発表後のドル高値145.90-00が最初の抵抗
〇ドル安円高方向は、144円巡る攻防に注目。しっかり下回ると143.81や21日線などがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジは143.70-144.90
<< アジア市場の動き >>
週明けのアジア市場はドルが小安い。対円だけでなく、全般的にドル売りが目に付く展開だった。
先週末は、韓国軍関係者から「北朝鮮が黄海で3日連続砲撃を実施した」と伝えられ話題に。一方、米紙WSJが「米テスラのマスクCEOがコカインなどの薬物常用」と報じ、そこここで物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は144.60円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。144.95円レベルまで値を上げたものの、145円にとどかず反落となった。その後のドルは冴えず緩やかな右肩下がり。寄り付きレベルを割り込み日中安値である144.20円前後まで下落、16時現在ではそのままドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「台湾情勢」と「米政治情勢」について。
前者は、13日に実施される総統選を前に中国による工作が活発化しているようで、懸念の報道などが相次いでいた。たとえば、複数メディアは「中国が仮想通貨使い選挙介入か、台湾当局は女性候補者を拘束」などと伝えていたようだ。また台湾国防部は別途、中国が台湾周辺や上空に気球を飛行させて航空安全を脅かしているほか、台湾市民に心理戦を仕掛けていると非難していた。そうしたなか、中国外務省は、米国による台湾への武器売却をめぐり、対抗措置として米軍需関連企業5社に制裁を科すと発表。水面下を含め、中台あるいは米中の争いはさらに激化しているようだ。
対して後者は、中国やロシアの影響力工作の一環といった見方もあるが、米国の政治情勢に不協和音ともいえる動きが幾つか取り沙汰されていた。前述した「マスク氏の薬物使用」報道もそのひとつとされるほか、ポリティコは別に「米国防長官入院、数日間もバイデン大統領に伝えず」と報道。政権内で意思疎通が上手くいっていない可能性を伝えていたようだ。そうしたなか、バイデン氏は今秋の米大統領選について「民主主義懸けた投票になる」と指摘したほか、サマーズ元米財務長官からも「トランプ氏が大統領に返り咲くことの歴史的な危険性を認識するよう」呼びかけるコメントが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週末に145.98円まで続伸したものの、その後はやや冴えない。東京休場の本日アジア時間も、ドルは144円前半などで小安い値動きに終始している。基本的には引き続きドルの戻り歩調にあるものの、先週末安値の143.81円を下回ると風向きが変化する可能性も取り沙汰されていた。143円前半に位置する移動平均の21日線や200日線を目指し、ドルはさらなる下値模索も。
市場は依然として日米による金融政策への関心が高いが、昨年末までの「日米金利差縮小」観測が後退。日本の「早期政策金利修正が難しくなった」といった見方が広がりつつある反面、米国についても「早期利下げ観測」が後退しているようだ。単純に金利差という点に着目すれば、ドルはいましばらく底堅く推移する公算が大きい。また、今週は注目の米インフレ指標が発表されることから、その内容如何では、むしろドル高が再燃しかねないかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週末、フィボナッチポイント146.10円手前で上げ渋ると反落へと転じてきた。まだ予断を許さないが、先の先週末高値145.98円が当面の高値となった可能性もある。ただ、問題はドルの下値で143.80-146.00円といった2円強の新レンジを形成するのか、それとも底割れし、下値を模索するのかどちらの値動きをたどるのか注目だ。
本日は米経済指標として、11月の消費者信用残高が発表されるものの、正直市場の注目度はそれほど高くない。基本はノーインパクトか。しかし、アトランタ連銀総裁による経済見通しについての講演などが実施される予定で、こちらは注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.70-144.90円。ドル高・円安方向は先週末の米雇用統計発表後のドル高値に当たる145.90-00円が最初の抵抗か。抜ければ薄っすらとだが145.98円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、心理的な意味も込め144円をめぐる攻防に注目。しっかり下回ると143.81円、そして21日線などがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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