ドル円、期待インフレ低下で下落するも続落余地は限定的か。市場は早くも週後半の米CPI待ち(1/9朝)

週明け8日(月)のドル円相場は冴えない動き。

ドル円、期待インフレ低下で下落するも続落余地は限定的か。市場は早くも週後半の米CPI待ち(1/9朝)

ドル円、期待インフレ低下で下落するも続落余地は限定的か。

〇ドル円、ISM非製造業指数の不冴え、NY連銀期待インフレ指数の低下に米国時間に143.66まで急落
〇その後は米長期金利の低下幅縮小、米主要株価指数の上昇等で144.20台に戻す
〇ユーロドル、欧州指標の好調、米長期金利低下に1.09台後半で底堅い
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑が重石に
〇本日は米インフレ指標を週後半に控え様子見か
〇本日の予想レンジ:143.50ー144.75

海外時間のレビュー

週明け8日(月)のドル円相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値144.93まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前週末(1/5)米国時間以降のドル売りの流れの継続(米12月雇用統計における労働参加率低下や米12月ISM非製造業景況指数の不冴な結果を背景に対主要通貨でのドル売りが活発化)や、(2)本邦祝日(成人の日)に伴う実需不足、(3)米12月ニューヨーク連銀1年後インフレ期待(結果3.0%、前回3.4%)、3年後インフレ期待(結果2.6%、前回3.0%)、5年後インフレ期待(結果2.5%、前回2.7%)の急低下、(4)上記3を背景とした米長期金利の急低下が重石となり、米国時間午後にかけて、安値143.66まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)急ピッチな下落に対する反動買いや、(6)米長期金利の低下幅縮小、(7)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り再開)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/9午前5時40分現在)では、144.20前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け8日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0922まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧州株の堅調推移や、(2)ドイツ11月貿易収支(結果204億ユーロ黒字、予想180億ユーロ黒字)の市場予想を上回る結果、(3)ユーロ圏12月消費者信頼感指数(結果▲15.0、予想▲15.1)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏12月サービス業信頼感指数(結果+8.4、予想+5.2)の市場予想を上回る結果、(5)ユーロ圏12月鉱工業信頼感指数(結果▲9.2、予想▲9.5)の市場予想を上回る結果、(6)ユーロ圏12月経済信頼感指数(結果96.4、予想94.2)の市場予想を上回る結果、(7)ユーロ圏11月小売売上高(結果▲1.1%、予想▲1.5%)の市場予想を上回る結果、

(8)ユーロ圏1月投資家センチメント指数(結果▲15.8、前回▲16.8)の3カ月連続改善(昨年5月以来の高水準)、(9)米12月ニューヨーク連銀期待インフレ率の急低下、(10)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0979まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/9午前5時40分現在)では、1.0956前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、先週末金曜日に一時145.99まで上値を伸ばしましたが、その後は急ピッチな上昇の反動もあって押し返され、現在は144円前後で落ち着きどころを探る動きが続いています。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、200日移動平均線、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していることや、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ38.2%戻しを達成したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測(能登半島地震の影響でマイナス金利解除のタイミングが4月以降にずれ込むとの見方の広がり→目先は1/11に予定されている日銀支店長会議に注目)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(昨年末時点で72.8%織り込まれていた3月FOMCでの25bp利下げ確率は足元60.9%程度まで急低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大期待とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑(対主要通貨での円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

今週後半に予定されている米国のインフレ指標(米12月消費者物価指数や米12月生産者物価指数)が市場予想を上回る場合には、米FRBによる早期利下げ観測後退→米金利急上昇→米ドル急伸の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(昨年末にかけて急速に進んだドル売り・円買いの巻き戻し)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は東京区部12月消費者物価指数(8:30)や、米11月貿易収支(22:30)、バーFRB副議長講演(2:00)以外に目立った経済イベントが予定されておらず、また上述の通り、今週のメインイベントとして注目されている米インフレ指標を週後半に控えているため、様子見ムードの影響で上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。

本日の予想レンジ:143.50ー144.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、期待インフレ低下で下落するも続落余地は限定的か。

ドル円日足

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