ドル円 日米金利差縮小せず!?ドルは底堅く推移か(週報1月第2週)

先週のドル/円相場は、ドル堅調裡。週末には一時146円手前と、12月13日以来の高値を示現する局面も観測されていた。

ドル円 日米金利差縮小せず!?ドルは底堅く推移か(週報1月第2週)

日米金利差縮小せず!?ドルは底堅く推移か

〇先週のドル円、週末1/5に週間高値145.98示現。良好な米経済指標、米長期金利の上昇が支援要因
〇ISM非製造業景況指数が予想外の悪化で2円以上下落するも、週末NY144.60レベルまで値を戻し越週
〇昨年末の「早期の米利下げ」期待・「早期の日銀金融修正」観測が共に後退、日米金利情勢は要注視
〇昨年11/13高値151.92起点に12/28の140.26まで1ヵ月半程度で11円強下落、底入れの可能性も
〇ドル高円安方向は、先週高値ならびにフィボナッチ半値戻しの146.10が最初の抵抗
〇ドル安円高方向、先週末安値143.81巡る攻防に注目。割り込むと21日線や200日線などを目指す展開
〇今週のドル円予想レンジ、142.50-147.00

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ドル堅調裡。週末には一時146円手前と、12月13日以来の高値を示現する局面も観測されていた。

前週末を含めた年末・年始は、各国トップからの年頭所感などが聞かれるなか、石川県能登地方で震度7という強烈な地震が発生し、日本ではお屠蘇気分が早々に吹き飛んだ。
そうした状況下、ドル/円は140.90円レベルで寄り付いたのち、週間安値の140.80円を示現。しかし、以降はおおむねドル高・円安の展開に。発表された良好な米経済指標などが好感されていたようだ。週末5日には週間高値の145.98円を示現し、146円台乗せへあと一歩と迫るもとどかず。その後は143円台へと2円以上振り落とされるなど荒っぽい変動となったが、週末NYは144.60円レベルまで再び値を戻しての越週となった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「日本の情勢」と「米ファンダメンタルズなど」について。
前者は、前述したように1日の16時過ぎ「石川県能登地方で震度7」の地震が発生。正月特番のテレビ番組が次々休止となるなど、早々にお屠蘇気分が吹き飛んだ日本だったが翌2日は「羽田空港で、日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上する」という大事故が起こり、連日の大騒ぎに。ちなみに、炎上した海保の航空機は先の能登半島地震の支援に向かう予定だったという。週央3日以降はさすがに平穏な日々に戻ったが、それでも能登地方における余震は依然として続くなか、人的を含めた被害が徐々に明らかになるなど、経済活動に与える影響はこれからと見られ、今後も動静には要注意だ。

それに対して後者は、4日に発表された2つの米雇用データがともに良好な内容を示し、米長期金利が上昇するとともに、為替市場ではドルの支援要因に。また、そののち発表された12月の米非製造業PMIも好数字で、やはりドル買いを後押ししていた。さらに、週間を通してもっとも注視されていた5日の12月雇用統計も良好で、ドルはさらに続伸。対円では先で指摘した146円手前まで値を上げたが、続く12月のISM非製造業景況指数が予想外の悪化で、市場は一気に冷や水を浴びせられる結果となった。トータルとすれば、米指標は好数字で早期利下げ観測はやや後退した感があるものの、見通しは混在しており予断を許さない。

<< 今週の見通し >>

ドル/円の週足は、やや上ヒゲを残す格好ながら実体部が4円近くに達するなど、かなりしっかりした陽線引け。ドルの基調の強さを感じさせるものであり、ドルは今週さらなる上値をトライする局面があっても不思議はなさそうだ。ちなみに、高値151.92円を起点に140.26円まで下落したことに対する、フィボナッチでは半値戻しが146.10円で、これは先週記録したドルの戻り高値に近い。しっかり超えれば、同61.8%にあたる147.40-50円が次のターゲットに。
依然として日米による金融政策への関心が高いなか、昨年末までは「早期の米利下げ」期待が強い反面、「早期の日銀金融修正」観測も強かった。つまり、日米金利差縮小期待が為替市場においてもドル売り・円買いを後押ししていたわけだが、年明け以降はそうした様相が一変した感がある。日本については、「能登地震の影響で早期政策金利修正が難しくなった」といった見方が広がりつつあるうえ、米国は先でも指摘したように発表される主要な経済指標が良好で早期利下げ観測はやや後退している。

いずれにしても、引き続き日米金利情勢に一喜一憂する展開が続く見込みで、要人発言などにも要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年11月13日高値151.92円を起点に、同12月28日の140.26円まで価格にして11円強、日柄にして1ヵ月半程度下落したが、ようやく底入れした可能性もある。先でも指摘したフィボナッチの半値戻し146.10円を超えれば、さらなる戻りが期待されると同時に、上昇への基調転換が名実ともに確認されたと言ってよいのかもしれない。
対するサポートは143円前半に位置する移動平均の21日線や200日線。下回ると、上値トライはダマシだった公算が高まりかねない。

そうしたなか今週は、12月の消費者物価指数や同生産者物価指数といった重要な米国のインフレ指標の発表が予定されている。前述したように、「米早期利下げ観測はやや後退した感がある」だけに、強めの数字が発表された場合にはドル高をさらに支援することになるかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、142.50-147.00円。ドル高・円安については、先週高値ならびにフィボナッチポイントの146.10円が最初の抵抗。上抜ければ147円台乗せも否定はできない。
対してドル安・円高方向は、ドルは連日下値を切り上げる展開をたどっているだけに、まずは先週末安値の143.81円をめぐる攻防に注目だ。割り込むと21日線や200日線などを目指す展開に。

日米金利差縮小せず!?ドルは底堅く推移か

ドル円日足


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