米雇用指標に注目、ドルは引き続き底堅そう
〇ドル円、142.85レベルへと小緩んだ後ドルが逆行高、143.90レベルまで値を戻す
〇日経平均株価が一時700円を超える下げを記録したことなどが材料視される
〇本日は米12月のADP雇用統計、非製造業PMI確報等の発表、予想値との乖離が波乱要因になる可能性も
〇フィボナッチ的には、151.92から140.26までの下落幅38.2%戻しにあたる144.70レベルが視界内に
〇欧米時間のドル円予想レンジは142.70-144.00
〇ドル高・円安方向は本日東京高値143.90レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、200日線をめぐる攻防に注目、下回ると142円半ばなどが意識されそう
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。ドル/円はザラ場ベースで前日高値を一時上抜ける局面も観測されていた。
ドル/円は143.30円前後で寄り付いたものの、当初ドルは冴えない。143円を割り込み、142.85円レベルへと小緩んだ。日経平均株価が一時700円を超える下げを記録したことなどが材料視されていたという。しかし、日中安値を示現後はドルが逆行高。寄り付きレベルを超える143.90円レベルまで値を戻し、16時現在では143.55-60円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日本情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、1日に「石川県能登地方で震度7の地震発生」、続く2日は「羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上」という大事故が起こったが、昨3日はそうした意味で平穏。とは言え、能登地方における余震は依然続くなか、人的を含めた被害が徐々に明らかに。また、4日から仕事始めとなる企業も多い環境下、航空機事故についても減便により帰省先から帰れない人が出るなど多方面にわたる影響が観測されていた。なお、後者については、別途日本航空から「衝突事故で150億円の損失見込み」との発表がなされていたようだ。
対して後者は、イスラエル軍がガザ地区で攻勢を強めるなか、隣国レバノンでハマスの幹部らが殺害されたことが明らかとなった。しかし、米国務省報道官が、「パレスチナ自治区ガザでの紛争が拡大する危険性を米政府は引き続き大きく懸念している」と述べるなど、むしろ今後の戦闘激化を懸念する声が少なくないようだ。なお、エジプト大統領からは、ガザ休戦実現が優先事項と強調した声明が発表されているが、果たして実現の可能性は如何に。
<< 欧米市場の見通し >>
個人的にドル/円相場は予想以上の戻りを達成している。昨日NYクローズベースで移動平均の200日線(143.10-15円)を上回ってきたうえ、本日東京では21日線(143.40円レベル)をザラ場ベースで超える局面も観測されていた。週末に注目の米雇用統計発表を控えており、その結果次第では予断を許さないものの、短期的ということであれば引き続きドルは底堅く推移しそうだ。
市場は引き続き日米欧による金融政策を注視。うち日本については、昨日もレポートしたように、1日に発生した石川・能登大地震の影響で早期政策金利修正が難しくなったといった見方が広がりつつあるようだ。実際、日経新聞に続き、ブルームバーグも同様の論調で報じていた。一方、米国については週末に発表される米雇用統計への関心が高いなか、先行指標と目されるADP雇用統計などの米雇用データが本日NY時間に発表される。本命は米雇用統計とは言え、予想値との乖離が大きければ市場の波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は151.92円を高値に140.26円まで下落したものの、その後はドルが逆に堅調裡。フィボナッチ的には前述下げ幅の23.6%戻しを超え、少し遠いが38.2%戻しにあたる144.70円レベルが視界内に捉えられてきた。ちなみに、このレベルは12月19日高値144.95円にも近く、おおよそ145円がかなり強い抵抗として意識されているのかもしれない。いずれにしても、短期的にドルは底堅そう。
本日は米経済指標として、12月のADP雇用統計や同非製造業PMI確報などが発表される見込みとなっている。また、相場への影響は限られそうだが、ブリンケン国務長官がイスラエルを含む中東諸国に向けて出発する見通しとされており、こちらも一応要注意か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.70-144.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値143.90円レベルが最初の抵抗。抜ければ先月10日以来の144円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日上回ってきた200日線をめぐる攻防に注目。そのレベルを下回ると142円半ばなどが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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