ドル円、良好な米経済指標を背景に一時144円台後半まで急上昇。本日は米雇用統計に注目 (1/5朝)

4日(木)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、良好な米経済指標を背景に一時144円台後半まで急上昇。本日は米雇用統計に注目 (1/5朝)

ドル円、良好な米経済指標を背景に一時144円台後半まで急上昇。

〇ドル円、米国時間朝方にかけて、高値144.86(12/19以来の高値圏)まで急伸
〇日銀による金融緩和の長期化観測、米12月ADP雇用統計の好調等が背景
〇ユーロドル、株価の堅調等を背景に1.09台半ばで堅調推移
〇ドル円、主要テクニカルポイントを軒並み突破、テクニカルの地合い好転
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小時期の後ずれ観測がドル円をサポート
〇引き続き、ドル高・円安方向への揺り戻しをメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:143.75ー145.75

海外時間のレビュー

4日(木)のドル円相場は大幅続伸。アジア時間朝方にかけて、日通し安値142.86まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の下落幅縮小や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(石川県で発生した大規模地震を背景に、日銀によるマイナス金利解除のタイミングが大幅に後ずれするとの思惑)、(3)上記2を背景とした円キャリートレードの再開期待(ドル円・クロス円の同時上昇)、(4)米12月ADP雇用統計(結果+16.4万人、予想+12.5万人)の力強い結果、(5)米新規失業保険申請件数(結果20.2万件、予想21.6万件)の良好な結果、(6)米12月非製造業PMI(結果51.4、予想51.3)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(8)心理的節目144.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値144.86(12/19以来の高値圏)まで急伸しました。米国時間午後にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/5午前2時45分現在)では、144.63前後で推移しております。

4日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0916まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)中国12月財新非製造業PMI(結果52.9、予想51.6)の市場予想を上回る結果や、(2)フランス12月非製造業PMI(結果45.7、予想44.3)の市場予想を上回る結果、(3)ドイツ12月非製造業PMI(結果49.3、予想48.4)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏12月非製造業PMI(結果48.8、予想48.1)の市場予想を上回る結果、(5)ユーロ圏12月総合PMI(結果47.6、予想47.0)の市場予想を上回る結果、(6)欧州株の底堅い動き(独DAXが約1ヵ月ぶり安値圏から持ち直す動き)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0972まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)ドイツ12月HICP(結果+3.8%、予想+3.9%)の市場予想を下回る結果や、(8)米経済指標の力強い結果、(9)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/5午前2時45分現在)では、1.0946前後まで軟化する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時144.86まで急伸するなど、昨年12/28に記録した安値140.25から僅か1週間で4.61円もの値幅で切り返す動きとなっています。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、200日移動平均線、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンド)を軒並み突破した他、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ38.2%戻し(144.70)も達成するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く期待させるチャート形状となっています。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(昨年末時点では多くの市場参加者が遅くても4月頃までのマイナス金利解除を見込んでいたが、能登半島地震の影響でマイナス金利解除のタイミングが大幅に後ずれするのではないかとの見方が浮上→円ロングで構えていた投資家の大規模ロスカット誘発)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(FOMCで投票権を有するリッチモンド連銀バーキン総裁は1/3に「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」と発言→CMEが提供するFed Watchツールによると、昨年末時点で72.8%織り込んでいた3/20FOMCでの25bp利下げの織り込み度合は足元62.1%まで急低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大観測(円キャリートレード再開の思惑→対主要通貨での円独歩安が進むとの見方の浮上)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

本日予定されている米12月雇用統計(22:30)や、米12月ISM非製造景況指数(24:00)が力強い結果を示す場合や、リッチモンド連銀バーキン総裁(3:30)よりタカ派的な発言が見られる場合には、ドル円がもう一段上値を伸ばすシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル高・円安方向への揺り戻し(昨年末にかけて急速に進んだドル売り・円買いの逆流)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:143.75ー145.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米経済指標を背景に一時144円台後半まで急上昇。

ドル円日足

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