ドル円、下値リスクくすぶるも目先ドルは底堅そう
〇年明けのドル円140.80-141.70レンジ、早朝の円買い後ドル買い円売り優勢に
〇今週は週末の米雇用統計に注目集まる、年明けの投機筋の動向も要注視
〇2日、3日東京休場での薄商いの中での相場変動に注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは140.80-142.00
<< アジア市場の動き >>
新年最初のアジア市場はドルが小高い。早朝の時間外取引では円買いも観測されたが、その後は逆にドル買い・円売りが優勢だった。
週末を含めた年末・年始は、各国トップからの年頭所感などが聞かれるなか、石川県能登地方で震度7という強烈な地震が発生し、日本ではお屠蘇気分が早々に吹き飛んだ。
そうした状況下、今年のドル/円は140.80-90円レベルで取引開始。しばらくは揉み合いの様相を呈したが、ジワリとドルが買い進められると日中高値の141.65-70円まで値を上げた。ただ、東京などが休場で薄商いのなか141円後半では上げ渋ると、その後は小緩む。16時現在では141.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「能登大地震」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、1日の16時過ぎに「石川県能登地方で震度7」の地震が発生。また、遥か離れた東京でも震度4以上を観測した地域が多かったようだ。その後も、東日本大震災以来とされる「大津波警報」が発令され、テレビの正月特番が次々放送延期になるなど、お屠蘇気分は早々に吹き飛んだ。さすがに丸一日が過ぎ、やや落ち着きを取り戻してはいるものの、現地では余震も続いているうえ、寒さに加え被災により停電や断水などにより、苦しんでいる人たちが多いようだ。続報なども注意を払いたい。
対して後者は、金総書記が年頭所感で勇ましい発言を連発し、思惑を呼ぶ。「新年は戦争準備強化の新たな全盛期」になると表明したうえで、「日米韓3ヵ国の協力拡大が朝鮮半島情勢を危うい状況に追い立てている」、「米国と韓国が軍事対決を選択した場合、それを破壊するためにもっとも強力な手段を動員する必要がある」と述べたという。また、朝鮮中央通信によると、2024年に偵察衛星を新たに3基打ち上げるほか、軍事用ドローン製造、核・ミサイル戦力の強化、潜水艦や電子戦能力増強などの方針を示したようだ。今年も、アジアにおける地政学リスクから目が離せそうにない。
<< 欧米市場の見通し >>
年明けのドル/円相場は予想以上に底堅い。12月28日に140.26円まで下落したものの、140円割れはなんとか回避しており、予断は許さないものの同レベルで短期的な底入れを達成した可能性がある。しばらくは140-142円、あるいは140-143円といったレンジ取引か。週末に予定されている米雇用統計をにらみつつも、レンジ内での往来相場をたどるか。
市場は日米欧による金融政策をめぐり、依然として様々な思惑が交錯するなか、目先は今週末に発表される米雇用統計の発表が注視されている。なお、早期の利下げ観測が再燃し米金利の先安観が強いだけに、米雇用統計が悪化するようだと、取り敢えず足もと下げ止まった感のある140円をいよいよ本格的に割り込んでくる展開も否定できない。一方、それとは別に名実ともに年が明けたことによる、投機筋などの新たな投資戦略をしっかり注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の基本的なリスクは下向きだが、先月末の140.26円で目先底値を見た可能性も。週末発表の米雇用統計をにらみつつ、足もとは小康状態をたどるか。とは言え、2日そして3日と東京市場が休場となり商いは薄い。2019年1月3日に観測されたフラッシュクラッシュはともかくとしても、薄商い継続のなか荒っぽい変動にも一応要注意だ。
本日は米経済指標として、12月の製造業PMI確報値などが発表される予定となっている。昨年末に掛けては発表された米経済指標に一喜一憂、市場の波乱要因となることが少なくなかっただけに、本日も引き続き予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.80-142.00円。ドル高・円安方向は先週末高値の141.91円が最初の抵抗。ただ抜ければ、200日線をターゲットにさらなる戻りも否定できない。
対するドル安・円高方向は、本日安値も近い先週末安値の140.80円が目先のサポートか。それを下回ると先週安値140.26円が視界内に入ってくる。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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