ドル円、底堅い値動き継続か、さらなる戻りも
〇3日のドル円、アジア時間は142円を挟んでのレンジ取引
〇海外からは大地震の発生、日航機と海上保安庁機の衝突炎上と年初に事件相次ぐ日本を不安視する向きも
〇テクニカルには、年初のドル買い先行で、200日線のある143円程度までの戻りもあるか
〇本日、12月ISM製造業景況指数、12月のFOMC議事要旨に注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは141.70-143.00
<< アジア市場の動き >>
アジア市場はレンジ取引。142円挟み、30ポイント強レンジ内での一進一退だった。
ドル/円は142円前後で寄り付いたものの、売買は全体的に手控えムード。東京以外は休場が明けた先も多かったが、新規材料も乏しく寄り付きを中心に上下20ポイント弱の往来相場で明確な方向性は乏しかった。16時現在では142.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「海保機など炎上」と「台湾情勢」について。
前者は、1日の16時過ぎに「石川県能登地方で震度7」の地震が発生し、早々にお屠蘇気分が吹き飛んだ日本だったが、昨日は「羽田空港で、日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上する」という大事故が起こり大騒ぎに。ちなみに、炎上した海保の航空機は先の能登半島地震の支援に向かう予定だったという。年明け早々から連日の大事件発生で、米英などをはじめ注目の目を向けられると同時に、日本は大丈夫なのかと心配を抱く向きも少なくないようだ。
対して後者は、新年の祝辞で中国の習国家主席が、台湾に関し「祖国の統一は歴史的な必然だ」と述べたことに続き、中国国務院台湾事務弁公室の宋主任から、台湾住民に「平和的統一」プロセスの推進を呼びかけ、それが台湾海峡両岸の人々の共通の願いであるとの発言が聞かれていた。一方、それとは別に13日に実施される台湾総統選に向けた工作や威嚇と思しき動きもたびたび観測され、一部で話題に。たとえば、台湾の国防部(国防省)が発表した「1日夜に中国の気球1機が台湾本島上空を通過した」−−との動きも、その一環といった指摘が聞かれていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨年末の12月28日に140.26円まで下落したものの、その後はむしろ底堅く推移。昨日は142.22円と、前記安値から2円程度値を戻す局面も観測されていた。週末に注目の米雇用統計発表などを控えていることもあり、予断を許さないものの、短期的ということであれば引き続きドルは底堅く推移する可能性もある。移動平均の200日線も位置する143円程度までの戻りを見込む声も聞かれていた。
市場は引き続き日米欧による金融政策を注視。まずは今週末に発表される米雇用統計をにらみつつ、米金利の動きが注視されているものの、1日に発生した石川・能登大地震の影響で日本の早期政策金利修正が難しくなったといった見方が広がりつつあることも興味深い。実際、日経新聞では12月19日付で、「1月論と4月論、賃上げ見極め判断」と指摘していたものを、「日銀が金融引き締め方向にカジを切るのは難しくなった」などとあっさり宗旨替えをしている。まだまだ二転三転する余地もありそうで予断を許さない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の大きな流れは依然として下方向にバイアスか。週末発表の米雇用統計次第では、ドル安・円高が再燃する可能性もある。しかし、先月末の140.26円で目先底値を付けた感があり、短期的にはむしろドルが底堅く推移か。143円レベルには200日線、その上143円半ばには21日線が位置しており、上値は重そうだが、それらをうかがう展開もありそうだ。
本日は米経済指標として、12月のISM製造業景況指数などが発表されるほか、12月に開催されたFOMCの議事録が公開される予定となっている。本格的に新年入りとなったものの、まだ商いは薄く荒っぽい変動にも引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.70-143.00円。ドル高・円安方向は12月27日高値142.85円が最初の抵抗で、抜けても143円や143円半ばなどが強いテクニカルポイント。上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日安値も位置する141円後半が最初のサポート。それを下回ると140.80円が視界内に入ってくる。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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