基本レンジだが、荒っぽい値動きにも注意(12/21夕)

21日の東京市場はドルが小安い。一昨日東京時間以来の142円台を示現する局面も観測されていた。

基本レンジだが、荒っぽい値動きにも注意(12/21夕)

基本レンジだが、荒っぽい値動きにも注意

〇ドル円、143.30レベルを下回ると、そのまま一気に143円割れへとドル安進行
〇基本は140.95-144.95の4円レンジ、142-144といったボックス内での一進一退が続くか
〇来年の各国金融政策を見極める意味も込め、目先は発表される経済指標や要人発言などに要注意
〇本日は米7-9月期GDP統計確報等の発表予定、薄商いのなか思わぬ乱高下の可能性も
〇欧米時間の予想レンジは142.70-143.80
〇ドル高・円安方向は、本日東京高値にあたる143.60レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる142.80円レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドルが小安い。一昨日東京時間以来の142円台を示現する局面も観測されていた。

ドル/円は寄り付いた143.55-60円を日中高値にドルが弱含み。大きく崩れることはなかったが、それでも目先底堅さを醸した143.30円レベルを下回ると、そのまま一気に143円割れへとドル安が進行している。日経平均株価が終値ベースでも500円強の下げ幅を記録。また米金利の低下が取り沙汰されるなか、16時現在では143.10-15円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「欧米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、日米欧とも年内最後の金融政策決定会合が終了するなか、昨日は中銀総裁を中心とした欧米の通貨当局者発言が相次ぎ思惑を呼ぶ。例えば、欧州は独連銀総裁から「利下げが近いと推測している向きに警告を発する」とのコメントが聞かれたうえ、オランダ中銀総裁も「ECBは利下げ急ぐ必要なし」と発言。また、ラトビア中銀総裁からも「2024年半ばごろに利下げに踏み切る可能性がある」とのコメントが発せられていたようだ。一方、米国はフィラデルフィア連銀総裁から「利下げは必要だが直ちに行うことは無い」との発言が聞かれていたという。

対して後者は、王外相がフィリピンのマナロ外相と電話会談したことが明らかとなり、関係修復について話し合われたもようだが、中国側は「根本的な原因はフィリピン側が政策や立場を変えたことだ」と主張し譲らなかったと伝えられていた。また、それとは別に米NBCは、11月に行われた米中首脳会談において、習国家主席は「台湾を統一するつもり」と明言したと報じていた。国内景気の低迷などが根強く取り沙汰されるが、基本的な対外政策に変化はなく、依然態度は頑なだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、19日の日銀による政策金利発表を持って年内の重要材料はすべてこなした感。それもあり、市場はクリスマスモードを強めつつある。しかし、「薄商い=荒い値動き」には一応要注意で、実際昨日のNY時間から本日東京に掛けて、あっという間に1円以上値を下げる局面も観測されていた。とは言え、基本は140.95-144.95円の4円レンジ。さらに形成レンジを狭めれば、142-144円といったボックス内での一進一退が続くもようだ。
前述したように年内の日米欧による金融政策はすでに終了したものの、市場では来年の動静をめぐり早くも見方が交錯している。そのため、来年の各国金融政策を見極める意味も込め、目先は発表される経済指標や要人発言などに要注意だ。このあとの欧米時間、引き続き薄商いが予想されるなか、予想値から乖離した7-9月期の米GDP統計確報などが発表されるようだと、市場は思わぬ乱高下などをたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は14日に安値140.95円を示現する過程などで、移動平均の200日線(142.70円前後)を一時的に割り込むも、その後の展開をみると同ラインがサポートとして寄与しているようだ。本日東京時間も、同レベルでドルは下げ止まっている。ただ、上値も現在146円レベルに位置する21日線が今後急低下。月末には145円割れまで達する公算が大きいだけに、一連の動きのなかドルの上値はますます重くなる可能性も否定できない。

本日は米経済指標として、7-9月期のGDP統計確報や12月のフィラデルフィア連銀景況指数などが発表される予定となっている。また、国連安保理のガザ支援めぐる決議案採決が20日に再延期されたが、それが21日採決にかけられる見通しだ。果たして三度目の正直となるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.70-143.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる143.60円レベルが目先の抵抗で、超えれば昨日高値144.10円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、同じく本日安値にあたる142.80円レベルの攻防にまずは注目。その少し下には前述した200日線も位置しており底堅そうなイメージだが果たしてどうなるか。

基本レンジだが、荒っぽい値動きにも注意

ドル円日足


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