ドル円、冴えない米経済指標を受けて大幅下落。早くも日銀会合後の上げ幅の全値押しを達成済(12/22朝)

21日(木)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、冴えない米経済指標を受けて大幅下落。早くも日銀会合後の上げ幅の全値押しを達成済(12/22朝)

冴えない米経済指標を受けて大幅下落。早くも日銀会合後の上げ幅の全値押しを達成済

〇ドル円、米国時間午後にかけ一時142.05まで急落、142円台前半での推移
〇米3QGDP、GDP価格指数、コアPCE確報の下方修正とそれに伴う米金利低下が背景
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言に米長期金利低下で一時1.10台を回復
〇ドル円、200日移動平均線の下抜けに成功、地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの逆流懸念が重石
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇クリスマス休暇や年末・年始休暇で流動性低下、フラッシュクラッシュ的な急落劇に要警戒
〇本日の予想レンジ:141.00ー143.00

海外時間のレビュー

21日(木)のドル円相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値143.57まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日経平均株価の冴えない動き(前日比535.47円安→リスク回避の円買い圧力)や、(2)円金利上昇に伴う円買い圧力、(3)米7ー9月期実質GDP確報値(結果+4.9%、予想+5.2%)の市場予想を下回る結果、(4)米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果▲10.5、予想▲3.0)の大幅悪化、(5)米7ー9月期GDP価格指数(結果+3.3%、予想+3.6%)の市場予想を下回る結果、(6)米7ー9月期コアPCE(結果+2.0%、予想+2.3%)の伸び率鈍化、(7)米7ー9月期個人消費(結果+3.1%、予想+3.6%)の冴えない結果、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値142.05まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前3時05分現在)では、142.26前後で推移しております。

21日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0930まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)デギンドスECB副総裁による「最近のデータは良好に見えるが金融引き締め政策を変更するには十分ではない」「利下げについて議論するのは時期尚早」とのタカ派的な発言や、(2)米経済指標(米7ー9月期実質GDP確報値、米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米7ー9月期GDP価格指数、米7ー9月期コアPCE、米7ー9月期個人消費)の冴えない結果、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1002まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前3時05分現在)では、1.0987前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時142.05まで急落するなど、日銀金融政策決定会合後の上げ幅(142.24→144.96)の全値押し(144.96→142.05)を達成しました。日足ローソク足が200日移動平均線の下抜けに成功したことや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロス」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること、日足のみならず4時間足でも強い売りシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まり(2024年前半のFed pivotが意識される中、市場では来年3/20に開催される米FOMCでの25bp利下げ確率を71.3%織り込む動き)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(今週開催された日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見は総じてハト派的な結果となったが、日銀が比較的早いタイミングで緩和修正に踏み切るとの思惑は根強い)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの逆流懸念(日米金利差縮小→円ショートポジションのアンワインド懸念)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている一連の米経済指標(米11月耐久財受注、米11月個人所得/個人支出、米11月PCEデフレータ、米11月新築住宅販売件数、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数)が市場予想を下回る場合には、米金利低下→米ドル売りの経路で、ドル円にもう一段強い下押し圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(特にここから先はクリスマス休暇や年末・年始休暇で流動性の欠如が見込まれるため、フラッシュクラッシュ的な急落劇に要警戒。次のターゲットは12/14に記録した安値140.97。同水準を下抜けられれば、7/28安値138.07や、7/14安値137.24が射程圏内に)。

本日の予想レンジ:141.00ー143.00

注:ポイント要約は編集部

冴えない米経済指標を受けて大幅下落。早くも日銀会合後の上げ幅の全値押しを達成済

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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